もしも、「最後の日」に何かを食べるのであれば、何が食べたいだろうか──。そんな質問を美食家として知られる俳優の辰巳琢郎(57)に投げかけてみると、「ご飯とおともとほうじ茶」という答えが返ってきた。
食にもワインにも造詣が深い辰巳さん。選んだ一食は、高級レストランの料理ではなく、あったかく懐かしい味だ。
「子供の頃からご飯が大好きでした。学生時代は、かっこをつけて“銀シャリ”と呼んでいましたが、この響きも気に入っています。イタリア料理やフランス料理のフルコースを食べた後でも、やっぱり最後はご飯が食べたくなる。ご飯を食べないと、一日が終わらない。炊きたてのご飯を、梅干やお漬もの塩昆布やちりめん山椒など、ご飯のおともと大切に味わいます。最後は、茶碗に熱々のほうじ茶を回しかけて、一粒残さずきれいに流し込みます」
「最後の晩餐というには寂しいですか?」と言いながらも、「大好きなご飯を食べられる最後なら幸せですよ」と笑った。
撮影■坂本道浩
※女性セブン2016年5月12・19日号