乱世を生き抜いた戦国の英傑たちは、食への並々ならぬこだわりを持っていた。ここでは石田三成、豊臣秀吉、織田信長の食事を再現写真とともに紹介しよう。
【石田三成】敗軍の将の最後の食事「ニラ雑炊」
ニラには整腸効果があり、古くから消化不良や冷え性の改善食とされてきた。関ヶ原からの敗走中、徳川方に捕縛された三成は食事にニラ雑炊を要求。再起を誓い、最期まで食事に気を配ったが刑場の露と消えた。
【豊臣秀吉】農民から天下人へ押し上げた「秀吉の膳」
秀吉は根菜類が好物で生涯食膳から欠かさなかったという。味噌汁や焼き蛸の味付けに必須アミノ酸のトリプトファンが豊富な豆味噌を使った。ごぼうは食物繊維、大根は消化酵素を含む。
【織田信長】パワーフード「アワビ」で天下統一
塩辛い味付けを好んだと言われる信長。愛好した料理は肉体疲労と精神力を回復させるものが多い。やきとりの皮にはヒアルロン酸などが含まれ細胞の老化を防ぐ。アワビのタウリンには疲労回復効果がある。
●写真は食文化史研究家・永山久夫氏監修の『武将メシ』(宝島社刊)より(撮影・明石雄介)
※SAPIO2016年6月号