血液に関する健康法といえば「血液サラサラ理論」を連想する人が多いだろう。血がドロドロになって血流が悪くなり、倦怠感やめまいなどの悪影響を及ぼすことから、血液をサラサラにすることが体に良いという理論である。
これに異を唱えたのが、『血流がすべて解決する』(サンマーク出版)の著者で漢方薬剤師の堀江昭佳氏だ。
「健康を左右するのは、血流です。血流を支えるために必要なのが血の量です。だから血が足りていない人がいくら血液をサラサラにしたところで、意味がないのです。血の不足を補い、増やし、流すことで体の不調を楽にするというのが、私の“血流たっぷり”理論です」(堀江氏)
では、質の良いたっぷりの血が、体全体を流れるには、どうしたらいいのか。堀江氏によれば、血流が悪い人の体内では、「血がつくれない」→「血が足りない」→「血が流れない」の順で負の連鎖が起きている。
東洋医学の考えでは血はエネルギーである“気”の流れで全身を巡ると考えられており、気が足りなければ血流が悪化する。その気を作るのは胃腸とされている。堀江氏が説明する。
「胃腸の力を高め、質の良い血を増やしてくれる料理として韓国料理の『参鶏湯(サムゲタン)』をオススメします。血の原料である鉄分とたんぱく質を豊富に含む鶏肉の中に、高麗人蔘などを詰めた薬膳料理です。
ただ、たくさん食べればいいというわけでもありません。胃は空腹時に収縮することで、食べ物の残りカスや、古い粘膜を剥ぎ取るなどの掃除をしています。空腹の時間がなければ、胃腸の働きは低下し、良い血はつくれません」
食べ物は胃に入ってから約90分で消化されるため、それ以降は間食を控えるべきだという。
また、何を食べるかよりも、旬の時期に食べることを意識すべきだと堀江氏は指摘する。例えば栄養価が高いとされるほうれん草でも、旬である冬場と夏場では、ビタミンCの量が約4倍違うというデータもある。
睡眠も血流を良くする上で重要なポイントだと堀江氏が言う。