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女性とがん 女性の尊厳取り戻すために変化とどう向き合うか

 今や日本人女性の12人に1人がかかるといわれている乳がん。北斗晶(48才)や南果歩(52才)がそうだったように、いつ自分に降りかかるともわからない。

「考えに考えた結果、命のためにやむをえず“切除”という選択をした私でも、胸の傷を見ると今でも悲しくなります。今、こうして元気でいられるのは手術のおかげだけど、胸を失ったつらさが消えることはない。お風呂あがりに自分の全身を鏡で見ることはできません」

 4年前に乳がんで全摘手術を受けた東京在住の派遣社員・石井知子さん(仮名・48才)のように乳房の全摘手術は、経験した人にしかわからない精神的苦痛を与える。

 2年前に手術を受け、退院して夫との暮らしに戻った後の悩みを、栃木県在住の主婦・高橋恵さん(仮名・45才)はこう話す。

「ホルモン治療の影響か、全く性欲がなくなってしまったんです。退院後で、疲れていたのもあるかもしれません。だけど夫は、“いつになったらできるの?”と。何度か応えようと途中までしたことがあったのですが痛いし疲れるし、やっぱりできなくて…最近は気まずくて夫婦の会話がほぼない状態です」

 実際、乳がんの患者で高橋さんのような悩みを抱える患者は後を絶たない。国立がん研究センター東病院サポーティブケアセンター副室長の坂本はと恵さんは、こうアドバイスする。

「性生活の悩みは表立たない上に、誰かに相談しづらいこと。解決は難しいですが、膣潤滑ゼリーを使うといった工夫もあります。こうした情報は乳腺外科の外来やがん診療拠点病院の相談支援センターで得ることもできますし、乳がんの患者会などで悩みや工夫を共有することも一つの方法です」(坂本さん)

※女性セブン2016年5月12・19日号

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