女性が参政権を得てから今年で70年が経つ。だが、現状は惨憺たるものだ。現在、衆議院の女性議員は45人で9.5%、参議院は38人で15.7%にすぎない。下院(衆議院)で比べると191か国中156位に位置している。
“女性活躍”を掲げる安倍首相は、2030年までに指導的地位に占める女性の割合を3割に引き上げる方針だが、足元の国会議員がこれでは達成は難しい。
女性議員が必要なことは明らかだが、その数は増えない。その背景には、女性が政治に参加しづらい現状がある。政治部記者として活躍した朝日新聞編集委員の秋山訓子さん(47才)は幾度も紙面で日本の“オッサン政治”の弊害を指摘してきた。
「日本の政治は、支援者と政治家が夜の宴席で飲み食いする“飲み会はしご政治”の面があります。飲み会で懇親を深めるのも大事ですが、飲みの席でいまだに女性議員や候補者をコンパニオンとみなし、セクハラする男性もいる。世間の常識と比べて今の政治そのものが古く、ズレているんです」(秋山さん)
2014年6月には東京都議会で塩村文夏都議(37才)が子育て支援について質問中、複数の男性議員が「早く結婚したほうがいいんじゃないか」「産めないのか」とのヤジを連発した。女性に対する想像力をあまりに欠く発言であり、こんな非常識な世界に愛想をつかす女性は多いはずだ。
※女性セブン2016年5月12・19日号