巨人の元エース・上原浩治(現・ボストン・レッドソックス)がかつて「世界一のアウェー」と評したように、甲子園球場に集まる阪神ファンたちの手厳しいヤジは、相手チームの選手を恐れさせてきた。今季初めて本拠地で(野球賭博問題に揺れる)巨人を迎え撃った4月26日、球場ではどんなヤジが飛び交っていたのか?
3回裏、無死満塁でマウンドに巨人内野陣が集まると「おいおい! 何の相談や。賭け金は試合前に決めとかんとアカンやろ。そこに甲子園警察署があるんやで」と大盛り上がり。試合前の円陣で「声出し」をした選手が、試合に勝つと他の選手から金銭を受け取り、負けると罰金を払う“ゲン担ぎ”が問題化したことを受け、ジャイアンツの選手が集まるたびに冷やかしの声が飛ぶのである。
6回表に巨人のベンチ前で内田順三・打撃コーチを中心に円陣が組まれると、「今日の声出しは内田さんか? 気の毒やけど今日は持ち出しやろな~」と些細な動きも見逃さない。
もっとも、声出しでの金銭のやり取りは阪神も同じ穴のムジナ。一部の“良識派”の虎ファンは、「ウチもやってたんやから偉そうなこと言えへんけどな」と、“仲間”にツッコミを入れることも忘れなかった。
※週刊ポスト2016年5月20日号