『一人あたりのたまご消費量』が、メキシコ、マレーシアに続いて3位(※出展:2015年10月5日「鶏卵新聞」)の日本。世界でも珍しく生食する習慣があり、「卵かけご飯」は、もはや国民食。でも、ずっと信じていた常識、意外に間違いだらけだったよう。
そこで、おいしさだけでなく体にもやさしい卵を追求し味はプロの料理人お墨付きの『昔の味たまご農場』経営者・田中亮さんに卵にまつわる真実を教えてもらった。
MとLなら、大きい方を選ぶ人もいるだろうが、実は黄身と白身のバランスが良いのはMサイズ。
「卵の大きさは鶏の日齢に比例するので、産み始めは小さく、徐々に大きくなることが多いんです。卵黄の大きさは日齢でほとんど変わらず、卵白が増えていきます。ですから、Lは卵白が多め。フワっとした食感を楽しむお菓子などはLを使うなど、料理で使い分けて」(田中さん、以下「」内同)
赤玉の方が、白玉よりも栄養がありそう…。そう思いきや、白玉と赤玉では味も栄養価も同じだという。
「白玉と赤玉の違いは鶏の種類によるもので、中身の栄養は同じです。また、赤玉の殻色は濃淡の個体差がありますが、明所で産むと薄く、暗所で産むと濃い色になる傾向があります。濃い色のほうが健康的な卵に思われがちですが、中身は同じです」
取り除きがちない紐状の“カラザ”は、アミノ酸のかたまり。食べるべき!
「カラザは卵黄を中央に固定させ、衝撃や菌から守るためにあります。アミノ酸が豊富なので、ぜひ捨てずに召し上がってください」
賞味期限が切れた卵はもう食べられない、と思っている人も多いはず。でも、卵の賞味期限は、殻にヒビ割れがなく家庭で冷蔵保存した場合、“生食できる期間”のことで、採卵後、3週間以内に設定するのが業界のルール。その期間内であれば、各メーカーの基準で設定できるという。
「賞味期限を数日過ぎても、加熱調理すればOK。4~10月なら賞味期限後1週間ほど、11~3月は10日前後が目安。ゆで卵は、少し時間が経過したもののほうが、殻が剥きやすく白身もしっとりしておいしいですよ」
※女性セブン2016年5月26日号