発行部数約275万部を誇るビジネスマンの必読紙「日本経済新聞」。豊富な人脈や取材力を活かした、株価の解説や景気分析が十八番のはずだが、最近は意外な分野の「予想」が注目され、“ギャンブラーの必読紙”になっているのだとか。
週末の競馬場には専門紙ではなく、日経新聞を片手にレースを見守る人がチラホラ。なぜ、競馬場で日経が読まれているのか。
実は今、日経の「競馬欄」の予想が「めっちゃ当たる」と競馬ファンの間で話題になっているのだ。日経のスポーツ欄は他紙に比べて小さいが、競馬欄が占めるスペースは意外や広い。さらに意外なのが、その予想的中率の高さだ。
たとえば5月1日に東京競馬場で開催された12レース中、実に11レースで日経が「本命(◎)」もしくは「対抗(○)」とした馬が1着でターフを駆け抜けた。8日開催の12レースも8レースを的中。各日のメインレースとなった1日の天皇賞と8日のNHKマイルカップ(いずれもGI)でも、日経はいずれも勝ち馬に「○」の印を付けていた。
これからオークス(5月22日)、日本ダービー(5月29日)、安田記念(6月5日)、宝塚記念(6月26日)と大きなレースが続くこともあり、注目を集めている。
しかし、運動部の記者が少ない日経の競馬予想がなぜこれほど優れているのか。実は日経には競馬の「専門記者」がいて、取材と予想に励んでいる。競馬専門紙の記者が実情を明かす。
「全国紙で競馬専門の社員記者を置くのは日経だけ。系列のスポーツ紙記者や競馬ジャーナリストの予想を掲載することの多い全国紙としては異例です。関東と関西にそれぞれ記者を常駐させています」
実は日経新聞と競馬の関わりは深い。競馬中継の全国放送を行なっている短波放送「ラジオNIKKEI」は日経のグループ会社。「日経賞(GII)」や「日経新春杯(GII)」などグレードの高いレースの冠スポンサーでもあり、中央競馬と近い関係にあることから、競馬情報が紙面で大きく扱われるのだ。
※週刊ポスト2016年5月27日号