セパ12球団で一番若い41歳の高橋由伸監督が「派閥争い」に悩まされている。GW明けに一時は3位に転落するなど苦戦を強いられている巨人ではチーム内で派閥抗争が勃発、思わぬ不協和音が生じているという。
元凶となっているのが、阿部慎之助率いる「阿部派」だ。かつてオフにグアムで行なう恒例の自主トレに帯同していた坂本勇人や長野久義、内海哲也などが「阿部派」の主要メンバーだが、阿部や内海はシーズン開始から二軍調整の日が続いていた。
「チームリーダーとも言える阿部が一軍に不在の中、高橋監督は育成枠で入団したルーキー、長谷川潤を先発起用するなど若手選手を引き上げようとしていました。しかし満足な結果が出ていない状況に阿部が不満を募らせているようです。
阿部派の選手は阿部のアドバイスに従順に従うので、高橋監督も頭を痛めています。坂本や長野は一軍メンバーなので、どちらに付いた方がいいのか逡巡しているところもありますが、他の阿部派の選手は監督から指示が飛んでも生返事をすることもある。これではチームのまとまりも生まれません」(スポーツ紙記者)
阿部は右肩痛で現在は二軍で調整中、6月には一軍復帰を予定しているというが、順調に回復しているという話は伝わってこない。それどころか、私服で東京ドームを訪れる姿が度々目撃されている。
「阿部は不振にあえぐ高木勇人に直接声をかけたりしています。チームを鼓舞しているという見方もあるが、派閥を拡大しているとも見える。生え抜きの選手として次期監督の芽もあるので、高橋監督の後釜を狙っていまからその下地作りを行なっているとも考えられます」(前出・スポーツ紙記者)
これでは阿部が一軍に復帰すると同時に、チーム内の指揮系統がバラバラになる可能性すらある。野球賭博で揺れている最中、派閥争いに明け暮れているようでは、ペナントレースも先が思いやられる。
※週刊ポスト2016年5月27日号