芸能

真田丸 秀吉演じる小日向文世らの「名古屋弁」の面白さ解説

 堺雅人主演で、個性派の役者陣の起用でも話題を集めるNHK大河ドラマ『真田丸』。午後8時から放送の総合放送に先立って、午後6時からBSプレミアムで放送される分も高視聴率を記録するなど、放送開始から半年近く経ってもまだまだ好調が続く。大坂篇もいよいよスタートしたが、小日向文世演じる豊臣秀吉らの「“名古屋弁”に注目している」というのはコラムニストのペリー荻野さんだ。以下、ペリーさんの解説だ。

 * * *
『真田丸』は、主人公真田信繁(堺雅人)が巨大な大坂城に口あんぐりして大坂篇に突入。行方不明だった姉・松(木村佳乃)も戻って、にぎやかになり、視聴率も上がってきた。
そこで私が気になったのは、言葉のイントネーション。要するに秀吉らの名古屋弁(学術的には細かい分類があるかもしれないが、ここはざっくりと名古屋弁ってことで)である。ドラマの場合、あまり方言が出過ぎるとわかりにくくなるため、セリフではあまり使われないことも多いが、『真田丸』では秀吉一族は名古屋弁を使う方向らしい。そこで今回は、三河生まれ、名古屋育ちのペリーが「真田丸 名古屋弁チェック」をしてみようと思う。

 まずは小日向文世演じる豊臣秀吉。秀吉は、天下人となり、キンキラの大坂城の主となっても名古屋中村生まれの言葉はそのまま。関白になると下の身分の者とは酒も飲めないと知り、「わしだけ偉なっても仕方にゃーしよー」と仲間の大名の官位も上がるよう朝廷に願い出たという。信繁を頼りたいときには、「わしゃこう見えてもどえりゃあ気が小せえもんで…」「力になってちょー!!」、家康(内野聖陽)に他の大名たちの前で一芝居打ってくれと頼み込むときは「やってちょーでゃーせ!!」とごり押しする。「にゃー」「ちょー」など小さな「ゃ」「ょ」は名古屋弁イメージの基礎ですね。秀吉の場合、この馴れ馴れしさが人たらしの武器にもなっていることがよくわかる。

 また、笑っているのに仏頂面、と評判になった秀吉の妹・旭(清水ミチコ)。個人的には愛知の隣県岐阜出身の強みを活かして、何かやってくれるかと期待したが、なんとセリフは一言のみ。三谷幸喜から出演依頼があったとき「セリフはなしで」と申し出たらしい。思えば、かつての大河ドラマ『おんな太閤記』では旭を演じていたのは、泉ピン子だった。そのモノマネでもよかったが…。いつかこっそりとやってほしいものである。
 
 そして、インパクト抜群だったのは秀吉の母なか役の山田昌。自分が日本のトップだと示すために家康の上洛を促したい秀吉は、「家康のところに行ってちょーせんか」と母に徳川の人質になってと頼む。「自分の実の母親を」と妻の寧(鈴木京香)は名古屋弁イントネーションで猛反対。しかし、息子の言葉を聞いたなか本人は「藤吉郎が助かるんなら、私、喜んで行くぜーも」「なんだしゃん、私、楽しいような気がしてきた」「私、喜んで行かせてもらうでなも」とにこにこ。息子の願いをあっさり受け入れる。

「ぜーも」も「なんだしゃん」も「もらうでなも」などハイクラスの名古屋弁を三連発。すらすら出てくる山田昌。秀吉の言葉を借りれば「さすがはお袋さまだぎゃー」である。

 山田昌といえば、古くは故・川島なお美ら名古屋系俳優が多数出演したドラマ『名古屋嫁入り物語』シリーズ不動の名古屋の母役として知られる。現在86才。名古屋弁のレジェンドである。

 これまでの大河ドラマでは竹中直人主演の『秀吉』でなかを演じた市原悦子が、派手な身なりのうつけ者信長(渡哲也)を観て「そんでもええ男~」とつぶやいたり、ふんどし一枚で走り回る秀吉(竹中)を観て「なんでふんどしいちみゃあなんだ」と叫んだりと、名古屋弁母伝説を作ってきた。今回の山田昌はさらにネイティブ感あふれるなか像を見せつけた。

 今後、秀吉がどんな言葉で茶々(竹内結子)にメロメロになるのか。寧が夫を諌めるのか。聞き耳をたて続けることにしよう。

関連記事

トピックス

大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
会見中、涙を拭う尼僧の叡敦(えいちょう)氏
【天台宗僧侶の性加害告発】フジテレビと同じ構造の問題ながら解決へ前進しない理由とは 被害女性への聞き取りも第三者の検証もなく、加害住職の「僧籍剥奪せず」を判断
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
フジテレビが今やるべきは、新番組『怒っていいとも!』を作ることではないか
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
ゴールデンタイムでの地上波冠番組がスタートするSixTONES
ゴールデンタイムで冠番組スタートのSixTONES メンバー個々のキャラが確立、あらゆるジャンルで高評価…「国民的グループ」へと開花する春
女性セブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
生活を“ふつう”に送りたいだけなのに(写真/イメージマート)
【パニックで頬を何度も殴り…】発達障害の女子高生に「生徒や教員の安心が確保できない」と自主退学を勧告、《合理的配慮》の限界とは
NEWSポストセブン
5人での再始動にファンからは歓喜の声が上がった
《RIP SLYMEが5人で再始動》“雪解け”匂わすツーショット写真と、ファンを熱狂させた“フライング投稿”「ボタンのかけ違いがあった事に気付かされました」
NEWSポストセブン
中居正広の私服姿(2020年)
《白髪姿の中居正広氏》性暴力認定の直前に訪問していた一級建築士事務所が請け負う「オフィスビル内装設計」の引退後
NEWSポストセブン
これまで以上にすぐ球場を出るようになったという大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平、“パパになる準備”は抜かりなし 産休制度を活用し真美子夫人の出産に立ち会いへ セレブ産院の育児講習会でおむつ替えや沐浴を猛特訓か
女性セブン
ネズミ混入トラブルを受けて24時間営業を取りやめに
《ゴキブリ・ネズミ問題で休業中》「すき家」24時間営業取りやめ 現役クルーが証言していた「こんなに汚かったのか」驚きの声
NEWSポストセブン