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40%軽い鋳鉄鍋「フェラミカ ホットパン」 海外でも話題

 熱がゆっくり伝わるので、素材のうまみを引き出すことができる。しかも保温性が高く、話題の無水料理もできる、と注目を集めているのが鋳物鍋だ。しかし、“重い”という理由で、購入を躊躇している人も多い。

 ところが、今回紹介する伊藤鉄工の『フェラミカ ホットパン』は、従来の鋳物鍋に比べ約40%も軽く、扱いやすいと評判。海外からも驚きの声が上がっているという。

「不況で、世間では次々工場が閉鎖。溶解炉(キューポラ)が減る中、川口商工会議所が中小企業庁から委託された『JAPANブランドプロジェクト』の一環として、伝統の川口鋳物を使用した鉄鍋を開発したのです」

 と語るのは、この鍋の開発者・伊藤鉄工の松本誠さん。伊藤鉄工のある埼玉県川口市は、映画『キューポラのある街』の舞台としても知られる鋳物の町だ。

「頑丈に見える鉄鍋ですが、鉄の厚みを減らせば“軽く”なっても、“強度”は保てません。薄物鋳物に適した材料と成分配合を探し出すため、専用の模型で成分を微妙に変えた鍋をいくつも作って実験を重ねました。同じ材料を使っても、鋳型に流し込むスピードや温度で出来上がりがまったく違ってきますが、その様子は、外からは見られません。そこで、コンピューター解析を実施し、約2年かけて“厚み2mm”に辿り着きました」(松本さん)

“フェラミカ”は、開発中から料理人や主婦、川口市民へのアンケートを繰り返し、改良を重ね、川口市と一体となって完成させた。

「鉄の薄さは、軽さのみならず熱伝導効果も高め、昇温性にも優れています。早く温まるのになかなか冷めないこの鍋は、煮物に最適。おいしいご飯も炊けますよ」(松本さん)

※女性セブン2016年6月2日号

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