中国国家発展改革委員会はこのほど、「中国サッカー中長期発展計画」を発表。2020年までに「学校サッカー」を充実させることなどが謳われているが、同委や国家体育総局など4つの国家機関は共同で、2020年までの5カ年計画として、6万以上のサッカー場を建設することを明らかにした。
中国には現在、1万ものサッカー場があることから、2020年までに、サッカー場だけで7万か所も存在することになる。これは人口2万人にサッカー場が1か所存在することなる。地域によっては、その割合は人口3万人に2か所になるところもあるという。
新京報などが報じたもので、習近平国家主席が大のサッカーファンであることと密接な関係があるとみられるが、ネット上では「次のトップがバスケット好きだったらどうするの?」「2050年には大ぼらを吹いたやつらはすでに死んでいるだろう」など、皮肉めいたコメントが多数寄せられている。
同委員会が発表した2016~2050年の「中国サッカー中長期発展計画」によると、2020年までに中国独特の管理システムを構築することが謳われている。また、2030年までにリーグなどの試合のレベルをアジア一流に向上させ、男子代表チームのレベルをアジアの上位チームにするのだという。さらに、2050年までに、中国が一流のサッカー強国になることを目標としている。
この発表に対して、サッカーの母国・英国のBBCは「中国サッカーは高くて遠い目標を掲げた」と伝え、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は「中国は五輪では優秀な成績を収めているが、男子のFIFAランキングはハイチにも及ばない」などとしている。
一方、中国のネット上では「素人が口を出すという典型」や、「これは中国共産党の決定である。世界各国はこれに従わねばならない」、あるいは「以前、『2020年までに強豪国になる』とか、言ってなかったかしら」などと中国政府の決定を皮肉る書き込みが目立っている。
とはいえ、イタリアのサッカー1部リーグ(セリエA)の名門で、日本の本田圭佑選手もプレーするACミランを中国資本に売却する交渉が行われていることが明らかになるなど、中国側は着々とサッカー大国への道を歩んでいるようだ。報道によると売却額は最大で7億5000万ユーロ(約930億円)だという。