中国では4月から突然、海外で購入した商品を中国国内に持ち込む際の課税を強化する措置が実施された。
その当日、上海の空港にいた人物によると、品物によっては最大で60%もの税金が加算されたため、これを知らなかった一部の中国人の爆買い観光客がパニック状態になった。上海などの空港の税関検査場の前には課税率が高い酒類や化粧品が散乱していたという。
ところで、肝心の関税引き上げ率だが、最も高いのは酒や化粧品で従来の50%から60%に、高級時計も30%から60%と2倍になった。
衣類や自転車、ビデオカメラなどは20%から30%に、さらにカメラや食品、飲料水、玩具などが10%から15%にそれぞれ税率が引き上げられた。
ところで、北京市民によると、中国財政省が関税の引き上げを発表したのは実施日の2週間前で、それも同省のホームページでのみ告知したという。市民の大半はわざわざ財政部のホームページを見ることはなく、「だまし討ちだ」との声も上がっている。
このため、8日に帰国した中国人観光客のなかには、「友人に頼まれて買ってきたのに、高くなった税金分は払い切れない」などとして、税関検査の前に買ってきた商品を捨ててしまう人が続出。ゴミと化した化粧品や酒類が散乱した空港内の写真が中国語版ツィッター「微博(ウェイボ)」に投稿されると、市民から財政省の対応に怒りの声が殺到し次々に拡散した。
あまりの怒りぶりに恐れをなしてか、中国共産党機関紙「人民日報」(電子版)が「関税に関するデマと噂。その真相」などとの見出しで、「5000元以内の買い物は無税」などと人々の怒りを抑えようとする記事を発表した。