結婚できない男女が増えるなか、仮に結婚できてもそう簡単ではない。48才のパート勤務の女性Fさんは結婚10年目にして、やっと幸せを感じている。Fさんが告白する。
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38才の時、親の意向でお見合い結婚をしました。結婚後に、口数が少ない人だということや、趣味が合わないことなどがわかっていきました。でも、「器量の悪い私なんかと結婚してくれたんだから、それだけでありがたいんだ」と思い込もうとしました。でも愛されたいという欲求はどうしても消えませんでした。
数年後、私は仕事先の男性と仲よくなり、次第に、「この人ともっと早く出会っていれば」という思いが強くなっていきました。そしてついに彼からの告白。プレゼントまでもらい、初めて男性と相思相愛になれたと思いました。とはいえ、私は既婚者。その日は返事をせずに帰りました。
ドアを開けると、めずらしく夫が先に帰っていました。仏頂面の夫に「遅い!」と叱られ、ムッとしてしまいました。しかし、リビングに入ると、豪華な料理が並んでいたのです。
「結婚10周年だから」と照れくさそうに言う夫。私はすっかり忘れていました。そして、夫との距離が縮まらないのは、私が近づかなかったせいでもあることに、やっと気づいたのです。
翌日、彼には別れを告げました。夫と過ごす時間を増やしてみると、やさしい一面がたくさん見えてきました。結婚10年目にして、“新婚”生活が始まった気分です。
※女性セブン2016年6月2日号