5月10日に開催された米国泌尿器科学会で注目の発表が行なわれた。独協医科大学と米イリノイ大学の共同チームが、少量の精液をスマホで撮影し、精子の濃度と運動率についての研究発表をしたのだ。その研究を応用し器具の製品化を手掛けたのが、オナニーグッズメーカー・TENGA。広報担当者が語る。
「不妊の48%は男性側に原因があるというWHO(世界保健機関)の調査結果があります。実際、ヒアリングすると、大多数の男性がクリニックで精液検査をすることに大きな抵抗を感じていました。こうした背景から、自宅で簡単に精子の状態を観察できる製品を開発したのです」
『TENGA MEN’S LOUPE』(税抜き参考価格1500円)の使い方はこうだ。(1)専用カップに射精し、5分ほど放置した後、スポイトで採取。(2)ビデオモードにしたスマホのフロントカメラレンズ部分に、ルーペレンズを合わせるようにセット。(3)微量の精液を垂らしたプレートをルーペレンズに載せる。すると、ルーペの550倍レンズを通じて、スマホ画面には泳ぐ精子の映像が映し出される、という仕組みだ。
同製品はあくまで簡易的な観察キットであり医学的判断を下すものではないが、自身の精子の状態に関心を持つという意味で、シニア世代にも活用できそうだ。
ちなみに、お笑い芸人・たんぽぽの川村エミコと交際中のTENGA・松本光一社長は、「自分の精子を初めて見ると新鮮な驚きがあっていいですよ!」とコメントした。
※週刊ポスト2016年6月3日号