人気漫画家でミュージシャンの久住昌之氏は「有名であるなしにかかわらず、長く続いてきた店」が好きだという。久住氏みずからが通う店の一つに、東京・赤羽にある『川栄』がある。
昭和21年、戦後の復興と共に創業した鰻と鳥料理の店。初代の味を今も2代目と3代目が守る。
鰻は全て国産で、初代が始めた「白焼きの前に蒸し」という独自の手間をかけて臭みと余分な脂を除き、箸ですっと切れる柔らかさに仕上げる。旨みの凝縮するタレは創業時からのつぎ足し。久住氏も20年来通い、「昼から飲みたい店」と話す。
■撮影/小松潤
※週刊ポスト2016年6月3日号