脳梗塞や心筋梗塞など、死に至る大病を気づかぬうちに進行させると言われる高血圧。日本人の3人に1人が高血圧だと言われており、できるだけ早く発見し、積極的に治療する必要があるだろう。
そういう意味では、血圧を継続的に測ることが重要。循環器を専門とする医師の久代登志男さんは、こう話す。
「できれば“診察室血圧“と“家庭血圧”の両方を測るのがおすすめです。両者が乖離する場合、日本高血圧学会のガイドラインでは“家庭血圧”を重視するとしています」(久代さん)
これは、診察室では医師を前にして多少の緊張が伴い、条件反射的に普段より血圧が上がってしまうことがあるからだ。この“白衣高血圧”を避けるためにも、家庭血圧をきちんと測っておきたいところ。
逆に、診察室血圧は高くないけれど、夜間や早朝に血圧が高い“仮面性高血圧”は治療が必要なケースが多いもの。だからこそ、より良い血圧管理を日課とする、家庭血圧を朝晩測ることが重要だ。
また、昨年、人間ドック協会が発表した情報で、高血圧の基準が緩くなったとの誤解が生じたが、高血圧学会が掲げる基準は変わっていない。血圧の専門医である渡辺尚彦さんはこう説明する。
「診察室血圧で140/90mmHg以上、家庭血圧で135/85mmHg以上が高血圧の基準というのが、日本を含め世界どこでも変わらないことを知っておいてください」(渡辺さん)
※女性セブン2016年6月9・16日号