1990年代半ば頃から個性的だが読むのが難解な名前、いわゆる「キラキラネーム」が急増している。今回はこれまで『NEWSポストセブン』に掲載された多彩なキラキラネームを紹介していこう。(2016年6月4日更新)
流行のきっかけは『たまごクラブ』か
「その頃、マタニティー雑誌の『たまごクラブ』が、子供の名前に関する特別付録をつけ、個性的な名前を数多く紹介したんです。これが大人気となり、一気に広がるひとつのきっかけになりました」(京都文教大学教授の小林康正氏)
◆主なキラキラネーム一覧
大宙(てん)
月(あかり)
虹実(ななみ)
希星(きらら)
沖九風(おるざ)
緑輝(さふぁいあ)
△□一(みよいち)
月夢杏(るのあ)
男(あだむ)
恋恋愛(れんれこ)
火星(まあず)
姫凜(ぷりん)
皇帝(しいざあ)
愛々(なでぃあ)
礼(ぺこ)
総和(しぐま)
宇宙(こすも)
月(るな)
琉絆空(るきあ)
琉星(るきあ)
葵絆(きずな)
結空祷(ゆらと)
祈愛(のあ)
縁士(えにし)
愛菜(まな)
来桜(らら)
絆星(きら)
天響(てぃな)
龍飛伊(るふい)
虹(しえる)
強音(ふおるて)
火星(まあず)
夢民(むうみん)
飛緯朗(ひいろう)
実新(みにい)
朱香(あろま)
琉星(むきあ)
光宙(ぴかちゅう)
羅舞(らむ)
夜舞刀(やまと)
稀羅璃(きらり)
魅留久(みるく)
読み方が多すぎる名前も話題
陽菜(ひな、はるな、ひなた)
結愛(ゆあ、ゆうあ、ゆいな、ゆめ、ゆい、ゆら)
心愛(ここあ、ここな、みあ、こあ、こころ)
颯太(そうた、ふうた)
大翔(ひろと、たいが、はると、やまと、たいぞう、つばさ)
表記が多すぎる名前も
陽大、春音、悠隼、陽士、春季、晴歩、陽友、遥歩(はると)
愛唯、萌衣、芽愛、夢彩、恵生(めい)
エジプトやイスラム等の宗教関連の名前
矛伴目途(むはんめど)
坐駆阿(ざかりあ)
朔瑠(さくる)
珠宇(しゅう)
有名人の子供にもキラキラネーム
元オセロの松嶋尚美
空詩(らら)
珠丸(じゅまる)
橋本聖子参議院議員
聖火(せいか)
亘利翔(ぎりしや)
朱李埜(とりの)
ダイアモンド☆ユカイ
頼音(らいおん)
的場浩司
宝冠(てぃあら)
我流(がりゅう)
峰竜太
生(うぶ)
兄(けい)
内田春菊
在波(あるふぁ)
紅多(べーた)
紅甘(ぐあま)
出誕(でるた)
石黒彩
玲夢(りむ)
宙奈(そな)
スポーツ選手にも個性的な名前が続々
清水 礼留飛(れるひ)
岡田 良菜(らな)
平野 歩夢(あゆむ)
片山 來夢(らいぶ)
成田 緑夢(ぐりむ)
◆キラキラネームは日本以外の国でも話題
中国のキラキラネーム「性福(絶倫)」記号やローマ字を使うケースも
一人っ子政策の反動だろうか、「性福(絶倫)」とか、絶頂が来るという意味の「来高潮」と名づけるケースが続出。さらには「狗男(いぬ男)」という男の子まで誕生した。姓と組み合わせて「黄」さんが「金海岸」という名をつけて「黄金海岸」(ゴールドコースト)としたり、「傅蘭克(フランク)」と命名するあたりは、欧米的な名前に憧れる日本人にも通じるものがあるが、響きだけでは飽き足らず、「@」「一A」と記号やローマ字を使うケースも。
米国でIT用語を子供に名付ける親が急増
アップル社のファンが多いアメリカでは、2012年だけで少なくとも49人の男の子が「Mac」、6人の女の子が「Apple」と名づけられたと『ロサンゼルス・タイムズ』が報じている。他にも「Google」「Facebook」「Excel」「Hashtag」など、IT用語を子供に名づける例がアメリカで急増している。
◆名前で苦労するケースもある
私学関係者「個性的な名前は入学試験でチェック対象になる」
「私学関係者は、『個性的な名前は入学試験でチェックの対象になる』といっています。自由度が高い保護者への心配や、名前をめぐる生徒間のトラブルを危惧するからです。面接がある学校では、本人に名前について聞くことでコンプレックスがないかどうか判断するケースもあるそうです」(教育評論家の石川幸夫氏)
大手企業役員「正直キラキラネームの学生の採用ためらう」
「3年ほど前、子会社のキラキラネーム系の男性新入社員が入社半年ほどで出社しなくなった。間もなくその親が会社に乗り込んできて、『上司のいじめのせいで子供が出社拒否になった』とまくし立て、会社に補償まで求めたのです。だが、人事が調べても上司に落ち度はなく、男性社員の被害妄想だっただけでした。その一件以来、人事ではエントリーシートや面接の際に、キラキラネームの人にはどうしても厳しくなってしまう」(大手都市銀行の人事担当者)