今年2月に国立がん研究センターと大阪大学の研究チームが「朝食を抜くことが多い人は、毎日食べる人に比べて脳出血のリスクが3割以上高まる」という研究結果を発表。「朝ごはん」の重要性にますます注目が集まっている。
朝食を、きちんと食べたほうがいいとわかっていても、つい手抜きしてしまうこともある。朝食にまつわる素朴な疑問を管理栄養士・抗加齢医学会正会員の堀知佐子さんと、時間栄養学を研究している早稲田大学先進理工学部教授の柴田重信さんに聞いた。
Q:シリアルを朝ごはんで食べる時、何を一緒に食べたらいいの?
A:野菜や魚、フルーツと一緒に。
「私も朝は食物繊維たっぷりの砂糖無添加のシリアルに、フルーツとヨーグルトを添えて食べています。ドライフルーツやナッツなどが入ったグラノーラや、コーンフレークなどのシリアルは、手軽に食べられるため朝食向きです。これに加えるなら、鮭などの魚のアラやねぎ、大根、わかめなどが入ったみそ汁を。バランスがよくなるのでおすすめです」(堀さん)
Q:お腹がすいてなくても、朝食は食べるべき?
A:食べるべきです。
「前夜に食べ過ぎていれば、お腹がすかないのは当たり前です。野菜ジュースに小さなおにぎりを食べて、体内スイッチを入れましょう。二日酔いならアルコール代謝を助けるトマトジュースや、しじみのみそ汁だけでも飲んで」(堀さん)
Q:和食と洋食、朝ごはんにはどちらが最適?
A:どちらでもOK。
「主食や主菜、副菜をバランスよく摂ることが大切です。ご飯なら焼き魚などの主菜に、サラダやおひたしなどの副菜を。パンなら卵料理やサラダ、ヨーグルトなどを添えるといいでしょう」(堀さん)
Q:コンビニで朝食を買うなら、何がいい?
A:複数買いでバランスを。
「朝食として食べるなら、お弁当は揚げ物などのおかずが多くて不向きです。また、バランスを考えて複数の食品を買うこと。例えば、おにぎりにみそ汁やヨーグルト、カットフルーツなどを組み合わせるといいでしょう。おにぎりの具は、鮭がおすすめです」(堀さん)
Q:起きてからどれくらい後にご飯を食べればいい?
A:30分~2時間以内がおすすめ。
「朝起きてすぐは、目は開いていても頭や体は起きていない状態です。だいたい30分後から2時間以内に食べるといいでしょう。私は毎朝40~50分散歩をしてから朝食を食べています。体を動かした後だと内臓の働きもよく、栄養吸収も高まります」(柴田さん)
Q:朝昼晩の食事のバランスはどうしたらいい?
A:朝昼晩とほぼ同量で、朝か昼を少し多めに食べるのが理想です。
「朝食抜きで、一日2食、夜にドカ食いをしている人が、朝食習慣をつけようとする場合は、そのままの食事量に朝食を足さず、夜の分を減らして朝に回すように心がけましょう」(柴田さん)
※女性セブン2016年6月9・16日号