1946年4月22日、福岡の地方紙『夕刊フクニチ』で連載が始まった長谷川町子さん(享年72)の『サザエさん』。今年は生誕70年ということで、長谷川さんの発掘イラストなどを集めた『長谷川町子の漫畫大會~町子・戦中の仕事~』(小学館)の出版がされるだけでなく、記念イベントが続々と開かれている。
『サザエさん』の原作には、さまざまな裏エピソードがある。
例えばノリスケとタイ子の子供の名前が「イクラ」というのはアニメならではの設定だ。
実際、1964年2月24日の朝日新聞を見ると、家族紹介の画で、タイコが抱きかかえる子供は「チドリ」の名がふられている。
「連載をしていた朝日新聞の特別企画で“家族構成を教えてほしい”という読者からの質問があり、『チドリ』という名前で紹介されています。原作では、ノリスケさんの子供の名前や性別はハッキリと描かれていません」(長谷川町子美術館学芸員・相澤弘子さん)
ほかの登場人物の中にはアニメでは「タマ」である猫が「ミー公」と書かれてあるなど、微妙な違いも存在する。
※女性セブン2016年6月9・16日号