きれいであることが当然の芸能界で、あえて「ブス」をウリにしているのがHKT48の指原莉乃(23才)だ。著書『逆転力~ピンチを待て~』(講談社)の中でこんな思いを綴っている。
《「ブスでOKです!」と言っておけば、イジッてもらえるかもしれない。(中略)そうやって世の中に出てきたのが、指原という女》
先日は『ワイドナショー』(フジテレビ系)にゲスト出演した安倍晋三首相(61才)に、「ざっくばらんに言いたい放題言っているようで、超えてはいけない所を超えない」「政治家に向いている」と言わしめた指原。その輝きは、本人の言葉通り「ブス」由来かもしれない。
「ブスは、ブスであることを受け入れた時に輝く」
そう話すのは、弁護士で『ブラック彼氏』(毎日新聞出版)の著者・堀井亜生さんだ。堀井さんは、これまで離婚や婚約破棄など1500件以上の男女間の問題を扱ってきたなかで、ポジティブなブスは、男にも女にもモテる、ということを実感している。
「“私、ブスだから、彼氏できないし、モテないし…”と言っているタイプは、モテない。でも“私ブスだから、積極的に行くしかない”と、自分を客観的に受け入れられた人は幸せになっています。ブスだからこそきれいにしよう、面白くしようと、努力するんです。そんなポジティブなブスは、前向きで周りを元気にできるし、好かれるために相手の気持ちを考えるので、男性からはモテるし、女友達も多い。
一方美人は昔からちやほやされてきたので、プライドが高く、何事も受け身。なので、自分の幸せが何かを真剣に考えたことがなく、周りから何かしてもらうのが当然というタイプが多い」(堀井さん)
実際堀井さんの元を訪れたある40代の夫婦の話。妻は外資系航空会社の元CAで、夫は商社勤めのエリート。妻が夫の不倫相手を調査したところ、彼がラブホテルから一緒に出てきた女性は、ゆるキャラのような顔をした中年太りの女性…。「もっと若くてきれいな人だったらまだしも、なんで?」と、妻はショックと怒りで不倫相手に慰謝料請求。しかし…。
「美人妻は、当然夫は戻ってくると思っていましたが、なんとご主人は美人妻と離婚して、不倫相手と再婚しました。彼いわく、美人妻は夫が帰宅してもねぎらう言葉一つなく、稼ぎが悪い、家事を手伝わないと文句ばかり。仕事の愚痴を話しても『私の方が大変』と聞く耳を持たない。家事もだんだん手抜きになり、なんのための結婚だろうと疑問に思った、と。
その点、不倫相手は自分の価値観があって、いつも元気。一緒にいて楽しいと。“妻は確かにまだきれいだけど、毎日ネガティブなことを言われたらきれいとも思えない”と話していたのが印象的でした」(堀井さん)
重要なのは顔じゃないという証言が続々なのだ。
※女性セブン2016年6月9・16日号