給与明細は他人が知り得ない超プライベート情報のはずだが、芸能人の場合は事情が違うようだ。
元モーニング娘。メンバーの石黒彩(38)の発言が、物議を醸している。5月19日に放送されたテレビ東京系『ヨソで言わんとい亭』に出演し、モー娘。時代の月収について「卒業まで手取りで12万~13万円くらいだった」と明かした。ここまではよくある暴露話なのだが、問題はその後だ。放送から10日以上経った5月30日、石黒は突如、「お詫び」と題したブログを掲載した。
〈19日の番組放送後、ネットなどでの反響に自分の発言に自信がなくなり、事実を再度確認しました。当時の所属事務所にも調べていただき、私の記憶は間違いで、低収入ではありませんでした。家賃、光熱費、交通費等、生活にかかるお金は全て事務所が負担してくれていて、多額のボーナスも頂いていました〉
人に調べてもらった結果、「自分は低収入ではなかった」と気づいたというのだが、さらに、
〈関係者の皆様に不快な思いをさせてしまい、重ねてお詫びいたします〉
〈本当に申し訳ありません。全て私の責任です〉
など何度も謝罪を重ねたことから、「対応が過剰すぎる」と話題を呼んだ。この騒動について、現事務所は「ブログに書いてあることがすべて」、モー娘。時代の所属事務所も「コメントする立場にない」とのこと。いずれも予想外の騒ぎに困惑している様子だった。アイドル事情に詳しいライターが語る。
「石黒さんが嘘をついたわけではないだろうが、ブログにあるとおり、大手事務所の場合は家賃その他で売れていないときからアイドルをバックアップするもの。それを誤解されては事務所として困るでしょう。
彼女がモー娘。を辞めるのは1999年に『LOVEマシーン』が大ヒットした翌年ですが、その次の年からは複数のメンバーが高額納税者に名を連ねるほど給料が上がった。人気絶頂になる前に卒業したことを残念に思って、そうした発言をしてしまったのかもしれません」
夢を売るアイドルも給与明細は気にしていたのだ。
※週刊ポスト2016年6月17日号