写真家の山岸伸氏は、これまで2000人以上のアイドル、タレント、女優、歌手を撮影。手がけた写真集はなんと300冊以上に上る。数多くの「初グラビア」も撮影してきたトップカメラマンが、彼女たちの思い出を語る。
山岸氏は、他のグラビアカメラマンと比べてモデルにとっての初めての撮影である「初グラビア」「初写真集」が圧倒的に多い。モデルにとって緊張感や羞恥心に包まれる難しい現場。なぜ、山岸氏が選ばれたのか。きっかけは、グラビア界で一時代を築いた野田義治社長率いる「イエローキャブ」の巨乳アイドルたちだった(以下、「」内は山岸氏)。
「野田さんは、私の都合などお構いなしで、スカウトした女の子を次々と僕のところに連れて来て、とにかく撮ってくれと。その後人気の出た子だけでなく、デビューしなかった子まで含めれば彼の依頼で150人くらいは撮っているはずです」
当時、中学生だった雛形あきこもその一人だった。スタジオで別のタレントを撮影している山岸氏のもとに何の前触れもなく連れて来られた。
「でも雛ちゃん、かわいかったですねぇ。セーラー服を着ていたから、『学校の制服なの?』と聞くと、『これを着て行きなさいと社長にいわれたんです』って。素直すぎて思わず、笑っちゃいましたけど」
細川ふみえとの出会いは、「この子は絶対に人気が出る」と他の人が撮ったポジフィルムを持って来られたことからだった。
「確かに初めて会った瞬間、オーラのようなものに包まれている感じでした。デビューから撮った写真集は9冊。1人の女性をこんなに撮ったカメラマン、他にいませんよ」
「イエローキャブ」が一世を風靡する時代、山岸氏は佐藤江梨子、小池栄子、MEGUMIら現在でも華やかに活躍する美女たちを撮影してきた。そんな巨乳軍団の中で、唯一、ブレイク後に出会ったという“例外”は堀江しのぶだった。
「デビュー直後からグラビアやテレビでトップアイドル。僕にとっても憧れの存在でした。初めて撮影するという時は、僕も少なからず経験があったのに頭が真っ白になりました(笑い)」