高橋由伸・新監督のもと、「打てない」「点が取れない」読売巨人軍。離脱者続出で、将来の4番候補といわれた大田泰示(年俸2100万円)も打率1割台のまま4月末にはインフルエンザで登録抹消。その後、一軍に戻ってもパッとしない成績が続いている。センターに起用した立岡宗一郎(3600万円)も5月に左脇腹肉離れで離脱するなど目論見はことごとく外れ、高橋監督の采配にも疑問の声が出始めた。
「開幕当初は外国人選手やベテランの活躍で勝っていたが、“1試合でサインが2回しか出ない試合があった”と記者の間でも話題になりました。ベンチでは村田(真一)ヘッドコーチや内田(順三)打撃コーチとブツブツ会話しているのに、作戦は何もないように見えます」(担当記者)
この“ヨシノブ流采配”を巨人OBの黒江透修氏も手厳しく評す。
「投手陣はまだしも、バッターに関してあそこまで選手任せにしてはいけない。打線の状態が悪い時は、機動力を使ってヒットエンドランを仕掛けたりするべきですが、進言するコーチがいないんでしょう。だから、3ボール1ストライクから簡単に打って出て凡退する場面を何度も見せられた。相手が嫌がる局面を作ろうとしていない」
巨人OBの広岡達朗氏もコーチ陣の問題を指摘する。
「外野出身で、ただ打つだけの野球をやってきた高橋監督のために、球団がいいコーチをつけたかどうか。敢えて名前は挙げませんが、最近は『優勝できるから』と巨人に来たがるコーチばかり。それがすべてを物語っている」
かつての常勝軍団を支えた仕組みの崩壊が、「打てない巨人」の元凶にあるというのだ。
※週刊ポスト2016年6月17日号