国際情報

トランプ氏取材した落合信彦氏「会話する価値なかった」

共和党の大統領候補がドナルド・トランプ氏に Reuters/AFLO

 米大統領選の共和党予備選で不動産王のドナルド・トランプが共和党大統領候補の指名獲得をほぼ確定させた。潤沢な資産を使った派手な選挙活動では、ローリング・ストーンズの『スタート・ミー・アップ』などをテーマ曲に使用しているが、人種や性など差別と偏見に満ちた暴言を問題視し、無断使用を停止するよう求めている。なぜ、これほど問題が山積みの人物が大統領候補になったのか、ジャーナリストの落合信彦氏が解説する。

 * * *
 アメリカ大統領と大統領選挙の権威は、もはや地に墜ちてしまった。

 なにしろ共和党の候補がドナルド・トランプである。

「メキシコ人は強姦犯」といった暴言の数々。「バカ女」「太った豚」などの女性蔑視発言。まともな政策はゼロ。この男には大統領としての素養など、かけらもない。

 共和党の候補になることが確実になった後には、民主党のヒラリー・クリントンに対する個人攻撃まで始めた。トランプは、ヒラリーが夫のビル・クリントンの不倫を「助長」した「意地の悪い」女性だと批判したのだ。もちろん、その発言には何の根拠もない。単なる中傷だ。

 私はかつてアメリカで、トランプを取材したことがある。

 インタビュー開始早々、彼は「父親から何万ドルをもらったが、自分でそれを何千倍にもした」などとカネの話ばかりし始めた。あの品がない話し方で、カネ・カネ・カネ……。私はもう彼とは会話する価値がないと見切りをつけ、話が始まってすぐ、取材を切り上げた。

 こんな人物を大統領候補に押し上げたアメリカ国民は、明らかに劣化してしまった。あるいは「もうこんな国はどうにでもなれ」と、国の未来について考えることを放棄しているのかもしれない。

※SAPIO2016年7月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

百合子さまは残された3人の仲を最後まで気にかけられたという(2023年6月、東京・港区)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
公益通報されていた世耕弘成・前党参院幹事長(時事通信フォト)
【スクープ】世耕弘成氏、自らが理事長を務める近畿大学で公益通報されていた 教職員組合が「大学を自身の政治活動に利用、私物化している」と告発
週刊ポスト
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン