今年に入って、各番組でキャスターの降板が相次いだ。高市早苗総務大臣のテレビ番組の放送に対する「電波停止がありうる」発言も相まって、テレビ局に圧力がかかったのではないかという憶測も飛び交っている。
そんな中、フジテレビで『みんなのニュース』のキャスターを担当する伊藤利尋アナは、報道のありかたに対してこう述べている。
* * *
1つのニュースには、多様な意見があります。局アナとして育ってきた私としては、そのバランスを取りながら伝えるのが仕事だと思っています。
たとえば、政治に関する速報ニュースが入ってきた際、スタジオにいるコメンテーターのどなたに話をしてもらうのか、その意見とは別の考えをどのコメンテーターのかたに言ってもらうのか、その場で考えを巡らせることになります。
コメンテーターの話が許容される振れ幅を超えてあまり極端になったら、引き戻すのも私の仕事です。そういうバランスの中で、日々の放送があるのだと思っています。
夕方のニュースはグルメや芸能の話が多いともいわれ、それでニュース番組といえるのかという意見があることも承知しています。ただそれは、かっちりとした原稿を読んでおしまいではない、柔らかい部分も含めた人間味のあるニュース番組にしようとしているからなんです。
私たちの番組はまだ始まったばかりですし、番組のありようは常に変化していきます。進化しているというと生意気かもしれませんが「楽しい雰囲気だけど、いいことを言っているよね」と思ってもらえるようなニュースの伝え方もあるのではないかと考え、それを模索しているところです。
※女性セブン2016年6月23日号