米経済誌「フォーブス」は2016年版の「世界で最も影響力がある女性100人」に中国や香港、台湾から9人を選んだ。同誌のランキングで、中国系の女性9人が選出されるのは、これまでで最も多い。それだけ、中国系女性の影響力が強まったことを示しているようだ。
9人のなかで、最も高いランキングは台湾の蔡英文・総統で17位。同じくアジア地域の女性の最高指導者としては12位の朴槿恵・韓国大統領には及ばなかったものの、中国の習近平国家主席夫人の彭麗媛氏(58位)や他の中国人女性を抑えて今回初登場。
他の中国系女性としては、電子商品取引大手のアリババ(阿里巴巴)傘下の金融サービス企業、アント・フィナンシャル・サービスの彭蕾(ルーシー・ポン)最高経営責任者(CEO)が35位。38位に香港人で、世界保健機関(WHO)事務局長の陳馮富珍(マーガレット・チャン)氏。
42位は香港のキングストン証券の朱李月会長で、香港証券業協会主席も務めている。
また、中国広東省に本社を置く藍思科技の周群飛社長が61位。周氏はアルバイトからトップに上りつめた立志伝中の人物。昨年の上海の胡潤研究院の中国人女性の長者番付トップで、藍思科技の主力事業はタッチスクリーンの製造で、アップル、サムスン、華為が主な顧客。保有資産は500億元(約8000億円)とされる。
63位は中国の空調設備製造の世界的メーカー「珠海格力」トップの董明珠会長。次に、中国の長城自動車の王鳳英社長が69位で、香港の億万長者の李嘉誠・長江実業グループ会長がトップの李嘉誠基金會の周凱旋理事が81位にランクインした。
蔡英文氏、マーガレット・チャン氏、彭麗媛氏以外の6人はいずれもビジネス界のトップだった。
ちなみに、1~3位は、ドイツのメルケル首相、ヒラリー・クリントン前米国務長官、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の順だった。