「新DASH食」が、薬に頼らず血圧を下げる食事法として欧米でブームになっているという。そもそもDASH食とは、今欧米で注目されている高血圧改善のための食事療法。「Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧を防ぐ食事法)」の略で、ダイエットにも効果があるといわれている。食品の組み合わせを改善して 低脂肪食にする。以前は、減塩と塩分を排出する効果が高い3つのミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム)と食物繊維の摂取を推奨していたが、新 DASH食では脂肪を減らさずに炭水化物を減らすことになった。
高血圧の総患者数は現在約1010万8000人に上り(厚生労働省 平成26年 患者調査より)、元来和食に多い“塩分”の摂り過ぎが要因のひとつ。塩分を摂り過ぎると、血液中の塩分を薄めるために、水分が増えて血管が膨張する。すると、通常よりも強い力で血液を送り出す必要があり、血圧が高くなる仕組みだ。
高血圧は、脳出血や心不全などの重篤な病気のほか、だるさ、むくみ、太りやすいなどのプチ不調の原因にも。高血圧に詳しい大櫛陽一さんによると、「高血圧の診断基準値は、140mmHg以上で、70才以上の約半数が降圧剤を服用し ていますが、降圧剤で一気に血圧を下げると、脳梗塞のリスクが高まるというデータもあり、今欧米では食事で高血圧を改善する“新DASH食”が主流になっています」とのこと。
日本人が食事に取り入れやすい7大食材は、アボカド、ブロッコリー、わかめ、ほうれん草、ひじき、さつまいも、大豆だ。
ダイエット効果もあるという新DASH食のルールは次の3つ。【1】塩分を体外に排出するカリウム、カルシウム、マグネシウムの3つのミネラルと食物繊維を摂る。【2】塩分は1日6g以下に。【3】ゆるめの糖質オフとなっており、血圧が低めの人が実践しても問題はない。
この食事法で積極的に摂りたいのが、通称“塩出しミネラル”といわれる3つの成分。
カリウム…体外に塩分(ナトリウム)を排出。カルシウム…血管を柔らかく保つ。マグネシウム…カルシウムとナトリウムの量を調節して血圧を安定させる。管理栄養士の清水加奈子さんにこの3つを多く含む食材と、効果的な食べ方について教えてもらった。
「塩分量1日6g(1食2g前後)は、最初はかなり味が薄く感じるので、酢や旨味のあるだし、香辛料など、塩以外で 五味を刺激する調理の工夫を」
なお、ラーメン1杯で約5g、寿司5貫で約3gの塩分があり、外食時は注意が必要だ。
「お寿司を食べた後は、塩出し効果の高い柑橘類の果汁100%ジュースを飲むなど、摂った塩分をすぐに排出させるよう心がけてみてください」(清水さん)
※女性セブン2016年6月23日号