芸能

岸井成格氏「報道番組のジャーナリズム精神は失われつつある」

ニュース番組の在り方について語る岸井成格氏

 私たちが日頃、見ているニュース番組の周辺が何かと騒がしい。「圧力」「電波停止」「キャスター降板」…そんな言葉がこのところ、“ニュース”として報じられている。参議院選挙を直前に控えた今、私たちが知るべき情報は本当に伝えられているのだろうか。『NEWS23』(TBS系)のアンカーだった毎日新聞特別編集委員の岸井成格さんが、ニュース番組について語る。

 * * *
 事実を伝えるだけなら、人工知能にだってできること。事実があり、その裏側にはこういう意味があるという“解説”までできなければニュース番組ではありません。

 古今東西、権力は必ず腐敗し、時に暴走してきました。特にその権力が、多数決で圧倒的な力をもっていると暴走しやすくなります。これにストップをかけるのがメディア、とりわけジャーナリズムです。本来、報道は、政府による権力の暴走を止める役割も持っているのです。決して政府の広報局ではありません。

 安保法案についても、単に政府の発表を放送するだけなら、良い法律のように見えてしまう。でも、その裏には危険な思惑があることをしっかり解説して問題を投げかける責任が、ニュース番組にはあります。

 その点で、日本のニュース番組のジャーナリズム精神は失われつつあります。政府や権力に甘く見られ、圧力をかければ屈すると思われてしまっているのです。別に権力に反抗したからといって、番組を止められるわけではありません。

 テレビ局のトップ、そして現場で番組作りに携わる人にはどんどん声を上げてほしいと思いますね。報道機関の使命を再認識してほしいです。

※女性セブン2016年6月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

公式サイトを通じてコメントを発表した中居正広
【入手】中居正広の女性トラブル謝罪、フジ港社長が全社員に送った“決意表明メール”「温かい会社でありたい」「全力で皆さんを守ります」
NEWSポストセブン
VIP席の一角に中居正広の姿が
《沈黙から20日間…》追い込まれた中居正広が「553文字」お詫び文を突如掲載した背景「トラブルがあったことは事実」「私のいたらなさ」
NEWSポストセブン
元
「ママ友の飲み会だった…」酔って研修医の胸ぐらつかみ、女性看護師の胸を蹴った元共産市議の二面性「ものすごい剣幕で怒鳴りつけ…」愛知県警が捜査
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
《覆された引退説》「本人というよりかはスタッフのため」中居正広が芸能活動の継続を示唆、モチベーションの“源泉”は
NEWSポストセブン
山口組抗争は10年に及ぶ(司忍組長。時事通信フォト)
ラーメン店長射殺から宅配ヒットマンまで事件多発の「山口組分裂抗争10年」、収束には一方的な「抗争終結宣言」しかない【溝口敦氏×鈴木智彦氏が予測】
週刊ポスト
レギュラー番組に深刻な影響が出ている中居正広
【全文公開・前編】中居正広、深刻トラブルの後始末 『金スマ』収録中止、『世界陸上』リポーター構想は白紙…『だれかtoなかい』は代役に香取慎吾を検討か
女性セブン
第49回報知映画賞授賞式で主演女優賞を受賞した石原さとみ
石原さとみの夫が経済紙に顔出しで登場 勤務先では幹部職に大出世、複数社で取締役を務め年収は億超えか 超スーパー夫婦の‘秘策”は瞑想
女性セブン
中居正広(時事通信フォト)
【独占】中居正広「謝罪コメント」に被害女性“X子さん”が思いを告白「私の人生は元には戻らない、それだけです」
NEWSポストセブン
お店の前で合流する永瀬廉と西畑大吾
「だいれん」キンプリ永瀬廉&なにわ男子・西畑大吾が“決起集会” 1月期ドラマで共演、仲が良すぎて“ムズすぎる”場面も
女性セブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現(写真はイメージです)
《独占告白》「こたつに入ったクマが食べたのは…」年末に自宅を荒らされた家主が明かした緊迫の一部始終「チョコレートやみかんには手を付けず」「小さな糞がたくさんあった」
NEWSポストセブン
元「ANZEN漫才」のみやぞん(Instagramより)
《5500万円のロールス・ロイスを買いたい》みやぞんが“金持ちキャラ”に激変 「ANZEN漫才」解散後の相方は月収は850円で「広がる格差」
NEWSポストセブン
450日以上にわたって拘束され続けているリリー・アルバグさん(イスラエル大使館の公式Xより)
《停戦合意を前に19歳女性の人質動画を公開》ハマスが450日にわたり拉致・監禁「性奴隷」と呼ばれ…深刻な肉体的苦痛の実態「もう私たちが知っている彼女ではない…」
NEWSポストセブン