「数か月前、青信号が点滅したので走り出したとたん、おしっこがちゃ~って。初めての経験で、ものすごくショックを受けました。幸いスカートだったので、コンビニに飛び込んでショーツを買ってはき替えました。その後、こうしてお話しするのも恥ずかしいんですが、おならや大笑いしたときなど、ちょっとしたことでも漏れてしまって…」(55才・公務員)
こんな悩みを抱えるのは彼女だけではない。女性セブンが40~70代の女性400人に「人に言えない体の悩み」についてアンケートをとったところ、「尿漏れ」が1位にランクインした。
そもそも、医学的に「尿漏れ」とはどういう現象なのか。LUNA骨盤底トータルサポートクリニックの院長で泌尿器科専門の関口由紀先生は「閉経前後の女性に多い病気」だと説明する。
「生まれつき子宮や膀胱を支える骨盤底筋が柔らかい人もいて、遺伝も原因の1つ。特に更年期の女性は、筋力低下による骨盤底筋の緩みや、女性ホルモンの減少による尿道周囲のコラーゲンの減少によって尿漏れしやすくなります」
なかでも出産は、骨盤底筋を痛め、女性ホルモンの分泌にも影響を与えるので、尿漏れの大きな要因となりうる。
タレントの西村知美(45才)もその1人。32才で長女を出産してから症状が出始め、40代に入って深刻化したという。
「友達と喫茶店で話していて、立ち上がった時や、くしゃみをした時に漏れるように…。暑い日でも水分を抑えて、出かける時は常に生理用ナプキンをつけ、デニムなど目立たない色のボトムスをはいて、お尻が隠れるチュニックを着るようにもなりました」
尿漏れは高齢になってからなる症状だと思っていた西村。しかし芸能界でも、森三中の黒沢かずこ(37才)は「ひな壇で『おーい』と立ち上がった時が危ない」と告白。たんぽぽの川村エミコ(36才)や、まだ20代の渡辺直美(28才)まで同様の悩みを抱えていると明かしているとおり、すべての世代の女性にとって他人事ではない悩みなのだ。
彼女たちのような女芸人であれば“ネタ”のようにぶっちゃけることもできるだろうが、アンケートが示すように、基本的にはできれば人には言いたくない、知られたくないもの。
西村もそうだった。気のせいだと自分に言い聞かせ、夫にも、「もし気づいたとしても恥ずかしいから、どうか見て見ぬふりをしてほしい」と願い、親友にも話さず、ひとりで悩んでいた。ところが昨年、あるテレビ番組で尿漏れを告白した。
「同年代で悩んでいるかたが多いと聞き、それなら私が告白すれば悩んでいる人の目に解決策が触れる機会が増えるのではないか?と思って、打ち明けることにしたんです」(西村)
※女性セブン2016年6月23日号