大谷流出阻止のために江本孟紀氏が大胆提言
投げては163km、打っては17試合連続安打──まるで漫画の主人公のような活躍ぶりで、いよいよ北海道日本ハムファイターズ・大谷翔平のメジャー移籍が現実味を帯びてきた。彼が世界最高峰のメジャーで戦う姿は見てみたいが、彼が抜ければ日本プロ野球界の空洞化は益々進んでしまう。高校時代からメジャー志望の強かった大谷を、長期にわたり日本に留めることなどできるのだろうか。日ハムOBでメジャー中継解説者として知られる高橋直樹氏はこういう。
「メジャーでは酷使されるし、打者が慣れれば3年目には打たれ出すのが常。日ハムが過去の例から、メジャー挑戦よりも日本で二刀流の記録を塗り替えろと説得していくしかない」
さらには、こんなウルトラCを唱える人も。野球評論家の江本孟紀氏だ。
「NPBがポスティングを廃止し、FAだけにすれば早期の流出は阻止できる。本人の気持ちを動かすことが重要だから、国民栄誉賞をあげるとか、人間国宝にでもして、祀りあげられれば、さすがに移籍は躊躇するでしょう」
人間国宝は、文部科学大臣が指定した重要無形文化財(演劇、音楽、工芸技術、その他)の技術保持者として認定された人物だ。過去にスポーツ選手が認定された例はないが、 「スポーツ選手が認定されないという規定はありません」(文部科学省担当者)というから、大谷がその第1号になる可能性はゼロではない。早期のメジャー挑戦は待ってほしい──これが多くのプロ野球ファンの本音だ。
※週刊ポスト2016年6月24日号