国内

硫化水素で妻に殺されかけた夫が戦慄の日々を振り返る

 フジテレビ系ドラマ『僕のヤバイ妻』の第7話では、主演の伊藤英明(40才)と木村佳乃(40才)が夫婦最後の夕食に、実はそれぞれ毒を混入させているといった描写があり、そのシーンが「毒盛り晩餐会」と話題となった。そして、現実世界でも、妻が夫に毒を盛るという事件が起きている──。

 運送会社に勤める石川達也さん(32才)が妻(32才)と恋愛の末に結婚したのは10年ほど前のこと。子宝にも恵まれ、上から小学4年生、3才、1才の3人の子供がいる。3年前には、鮮魚店や生花店が並ぶ庶民的な商店街にもほど近い住宅街に3階建ての一戸建てを購入した。休みの日には、妻や三輪車に乗った子供らを連れて出かける姿が近所で見かけられていた。それは幸せを絵に描いたような家族、のはずだった。しかし――。

 ある夜、事件が起きた。夫はいつものように仕事を終えて23時頃に帰宅。テレビを見ながら一息つき、深夜2時を過ぎて風呂場へ。夫はゆっくり湯船に浸かりながら、いつもと違う卵の腐ったようなにおいが気になっていた。だからといって騒ぐほどのにおいでもなく、もうほとんど会話をすることがなくなった妻を呼ぶことなど頭をよぎることさえなかった。しかしそのにおいはだんだん強くなっていく。

「ヤバイ…」

 目、鼻、のどに痛みを感じると同時にすぐさま風呂場を上がると、脱衣所には、鼻を突き刺すような悪臭が充満していて、立っているのもやっと。生まれて初めて感じた生命の危機に突き動かされるように、裸のままなんとか寝室へ逃げこんだが、そのまま意識を失って倒れ込んだ。

 同じ家にいた妻が、意識不明の夫のために119番通報をしたのは、それから約2時間後の午前5時4分。

「自宅に異臭がする」
「夫が自殺を図ったかもしれない」

 かすかに意識を取り戻し、朦朧としながら運ばれていく夫の横で、妻は駆けつけた警察や救急隊員にそう説明していた。

 9日間、生死の境をさまよった達也さんは、なんとか命をとりとめた。そして2か月後の2月16日、この一件で逮捕されたのは妻。硫化水素自殺に見せかけて夫を殺害しようとした容疑だ。

「妻は最初から最後まですべて否認。そのため動機も不明のままです。ですが、警察も単に疑いがあるだけでは逮捕できませんからね。硫化水素に使われた製品の入手状況や関係者の話などもろもろの捜査から、裏づけをとって、2か月かけて逮捕に至った。外部からの侵入が考えられない状況だったため、ご主人の自殺か、奧さんがやったのかしか考えられないというわけです」(捜査関係者)

 それから半年。本誌・女性セブンは事件現場となった前出の一戸建てを訪れた。かつて子供の三輪車や遊具があったという1階駐車場はがらんとしていて、脚立とバケツが置いてあるのみ。駐車場脇のコンクリート壁にある、子供が白いチョークで描いた蝶々が、物寂しく飛んでいた。

関連記事

トピックス

中居の“芸能界の父親代わり”とも言われる笑福亭鶴瓶
《笑福亭鶴瓶が語った中居正広の女性トラブル》「相談してくれたら…」直撃に口をつぐむほどの深刻さ『ザ!世界仰天ニュース』降板発表
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)
【法政大学ハンマー殴打事件】「私の頭を2回ほど強めに叩いて降りていった」事件前日に容疑者がバスで見せていた“奇行”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
《アフターピル服用後…お守り代わりにナイフが欲しい》田村瑠奈被告、「手帳にハートマーク」「SMプレイの自主練」で待ち望んでいた“事件当日”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
2件の暴行容疑で逮捕、起訴されていた石野勇太容疑者(32)。新たに性的暴行に関する証拠が見つかり、3度目の逮捕となった
《独自》「いい孫だったんですよ」女児に不同意性交、男児には“しょうゆ飲み罰ゲーム”…3度目逮捕の柔道教室塾長・石野勇太被告の祖母が語った人物像「最近、離婚したばかりで…」
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告
「ゴムつけなかっただけで…」田村瑠奈被告が襲った被害男性の「最後の言葉」視界、自由を奪われて…【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
狩野舞子
《元女子バレー狩野舞子》延期していた結婚発表のタイミング…大谷翔平との“匂わせ騒動”のなか育んだ桐山照史とステルス交際「5年間」
NEWSポストセブン
韓国籍の女子学生のユ・ジュヒョン容疑者(共同通信)と事件が起きた法政大学・多摩キャンパス(時事通信フォト)
【法政大学・韓国籍女子学生ハンマー暴行事件】「日本語が上手くなりたい。もっと話したい」容疑者がボランティアで見せていた留学生活の“苦悩”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
〈舌と食道まで…〉「お嬢さんの作品をご覧ください」田村瑠奈被告の父親裁判で明かされた戦慄の“切除現場”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
2025年初場所
初場所の向正面に「溜席の着物美人」登場! デヴィ夫人の右上に座った本人が語る「観客に女性が増えるのは相撲人気の高さの証」
NEWSポストセブン
小室圭さん(左)と眞子さん(右)
小室眞子さんの“後見人”が明かすニューヨークでの生活と就活と挫折「小室さんは『なんでもいいから仕事を紹介してください』と言ってきた」
女性セブン
販売されていない「謎の薬」を購入している「フェイク動画」(instagramより。画像は一部編集部にて加工しています)
「こんな薬、売ってないよ?」韓国人女性が国内薬局「謎の薬」を紹介する“フェイク広告動画”が拡散 スギ薬局は「取り扱ったことない」「厳正に対処する」と警告
NEWSポストセブン
中居正広の女性トラブルで浮き上がる木村拓哉との不仲
【全文公開・後編】中居正広の女性トラブル浮き上がる木村拓哉との不仲ともう一つの顔 スマスマ現場では「中居のイジメに苛立った木村がボイコット」騒ぎも
女性セブン