マウンドに立てば163kmを投げ込み、打席に立てば安打を量産。そして本塁打も放つ長打力。そんな選手はメジャーリーグにもいない。高校時代からメジャー挑戦を公言してきた「ショウヘイ・オオタニ(大谷翔平)」の名は、MLBでも有名だが、メジャーの監督は大谷翔平の二刀流をどう見るのか。イチローが所属するマーリンズのD・マッティングリー監督はいう。
「希望するなら二刀流をやらせたい。あとはチーム戦術との兼ね合いだ。私は先発よりもリリーフの方が使い勝手がいいと思うね」
2007年に日本ハムでプレーしたパドレスのA・グリーン監督は、「打者・大谷」に関心を示した。
「オオタニはラインアップを充実させる打撃力を持っている。二刀流をやりたいと望めばやらせてみたい。(今春のアリゾナキャンプで)打撃練習を見たが、あのパワーは印象的だった」
アリゾナキャンプでチェンジアップをアドバイスした往年の名クローザー、T・ホフマン氏(通算セーブ数601。現在はパドレスの編成シニアアドバイザー)も活躍に太鼓判を押す。
「実際に会って体のサイズに驚いた。足腰も見事で、プロ4年目とは思えない。1人でダルビッシュとマツイを務める選手として、パドレスの一員になってもらいたい」
沖縄生まれ、日本人の母親を持つドジャースのD・ロバーツ監督もラブコールを送る。
「何度も彼のビデオを見た。難しいチャレンジだが、やれると思う。本当に特別な選手。メジャー入りを決断した暁には、ぜひドジャースのユニフォームを着てほしいね」
MLBの歴史を変えるかもしれない大谷翔平、21歳。彼に相応しい舞台は日本のプロ野球か、それともメジャーリーグか。
■リポート/出村義和(スポーツジャーナリスト、J SPORTS MLB中継解説者)
※週刊ポスト2016年6月24日号