映画『ズートピア』は高度な文明をほこる動物の世界を舞台に、警察官になる夢を持つウサギのヒロイン・ジュディが詐欺師のキツネ・ニックとともに陰謀に立ち向かいながら成長していくディズニーの長編アニメーション。4月下旬の公開から7週間の累計興行収入は65億円と、今年公開された作品の中ではNo.1(6月12日現在)。大ヒット作『アナと雪の女王』の記録(興行収入約255億円)を塗り替える勢いだ。
「今作は、子供たちはもちろん大人たちもハマっている。口コミでどんどん大人のかたに広がっているのを実感しています」とディズニー担当者は語る。
キャラクターがかわいいだけではない、『ズートピア』の魅力について映画通たちの話から解き明かす。
動物たちのキャラクターは徹底的なリサーチによりつくり上げた。スタッフが動物たちのリサーチのために18か月間もの時間を費やし、ケニアなどに行き、その動きや性格を研究しつくした。ジュディにもウサギの習性がしっかりと反映されている。
「ウサギは暗いところだと目が見えづらくなるから、暗闇のシーンでは、ジュディに懐中電灯を持たせるなど、思わず“へえ~”といいたくなる動物の豆知識が満載なのも見どころの1つです」
ゾウやキリンのように大きな動物もいれば、ネズミのように小さな動物も暮らすズートピア。製作総指揮のジョン・ラセターは、「登場する動物はすべて実際のものと同じサイズ感に」とこだわったそう。
さらに、吹き替え版ではジュディ役に上戸彩(30才)らが声優を担当している中、ディズニーファンをざわつかせているのがニック役の声優。
「声を担当しているのは森川智之さんというベテランの声優で、トム・クルーズやユアン・マクレガーの吹き替えでもおなじみです。東京ディズニーシーのエントランスで“ようこそ”とアナウンスしているのも森川さんなんですよ」
また、こんな味のある図らいも。
「日本語版ポスターにある巨大看板にはサマンサ タバサを思わせる“Savanna Thavasa”(サバンナ タバサ)やナイキを思わせる“Just Zoo It”などのフレーズも出てきます。劇中でも『ベイマックス』に出てくるカフェや『アナと雪の女王』のハンス王子と同じ名前のケーキショップが登場したり、見るたびに新たな発見があって楽しいです」
映画や海外ドラマファンにたまらないネタも豊富。
「マフィアのボスキャラ・Mr.ビッグは『ゴッドファーザー』から、後半のジュディが列車を動かそうと奮闘する場面は『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』を元ネタにしていると監督自らがインタビューで明かしています。また海外ドラマ『ブレイキング・バッド』の麻薬密造シーンを彷彿させるような箇所も見逃せません」
他に、隠れミッキーや『アナと雪の女王』のアナとエルサの衣装をまとったキャラが出てくるので、まだ見てない人は探してみるのも楽しいかも。
※女性セブン2016年6月30日号