東京都の舛添要一知事が政治資金の数々の不適切な流用問題で辞任したことは中国本土や香港でも大きく伝えられているが、その反応は日本とは大違いだ。
例えば、ネット上では、中国圏でもよく知られている漫画「クレヨンしんちゃん」の本を買ったことが不適切支出の一つになっていることが大きく取り上げられ、「本当にクレヨンしんちゃんを買っただけの理由で謝罪したのか?」 「それだけならば、われわれが受け取る賄賂は多すぎる」とのコメントが書き込まれている。
また、香港紙「リンゴ日報」(電子版)のように、クレヨンしんちゃんの動画と舛添氏の動画をジョイントさせて、しんちゃんが舛添氏に「こんなことで、オレを登場させないでくれ。恥さらしだ」などと叫ぶなど、今回の騒動をパロディ化しているのが目立つ。
とはいえ、同紙は記事の中で、舛添氏が週末に公用車で別荘に移動していたことや、クレヨンしんちゃんの本ばかりでなく、家族旅行の宿泊代金や洋服代など440万円を流用していたほか、海外視察ではスイートルームやファーストクラスを利用するなど、2億円もの公費を支出していたとの事実関係をしっかりと伝えている。
そのうえで、同紙はホームページ上に読者のコメントとして、「このような話は『中国(本土)』ならば、『清官(清い役人)』で済んでしまうのだけれどね」との書き込みを掲載している。
中国の財経網(ネット)でも、リンゴ日報の読者同様、「中国ではこんなのはまったく問題にならない」との書き込みが見られたり、家族同伴の“公務旅行”だったことについて、「愛人じゃあないなんて驚きだ」「(舛添氏は)良い政治家だ。中国では、夫人ではない女性を泊める政治家がほとんどだ」 などの驚愕するコメントが数多く寄せられている。