じゃがいもの旬をご存じですか? スーパーの店頭に一年中並んでいるから、いつでも収穫されていると思いきや、実は4月中旬から10月までの約半年間が収穫時期。新じゃがいも(以下、新じゃが)とは、この時期の“獲れたて”をさすのだ。そもそも、普通のじゃがいもとどう違うの? そこで、新じゃがの魅力をご紹介。
「じゃがいもの収穫は、一般的に4月中旬に九州から始まり、10月中旬に北海道で終わります。この期間に収穫したてのじゃがいもを新じゃがと呼んでいます」とは、カルビー広報部の田中宏和さん。
国内に出回るじゃがいもの8割以上は、秋に収穫の最盛期を迎える北海道産なので、新じゃがの旬は、まさにこれからやってくる。「寒暖差の大きな北海道産の新じゃがは、味が濃く、身が締まっていておいしいんです。この新じゃがは、一度に全量が出荷されるわけではなく、定温貯蔵庫で約半年間保存されます。これがいわゆる、“普通のじゃがいも”になるのです」(田中さん)
じゃがいもと新じゃがの違いは、栄養面にもあるという。
「じゃがいも100g(Mサイズ約1個分)中のビタミンC量は約25mg(『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』)。でも、6~9月に収穫された新じゃがには、ビタミンC量が約100mgになる品種もあるのです」(田中さん)
100mgといえば、1日のビタミンC必要摂取量で、レモン1個分にも相当する。ただし、それは生の場合。じゃがいもは、加熱調理して食べるものだが、そうなると、熱に弱いビタミンCは失われてしまうのでは…。
「じゃがいものビタミンCは、熱で糊化したでんぷんに包まれているので、壊れにくい。だから高温の油で揚げるポテトチップスにも、7割程度のビタミンCが残っているんです」(田中さん)
さらに、新じゃがをおいしく食べるには、蒸す・煮るといった調理法がおすすめだと、東京農業大学元教授・徳江千代子さんは言う。約60度でじわじわ熱を入れると、酵素が働いて甘みが増すのだ。
「もっともおすすめしたい食べ方は、皮ごと食べること。ほとんどの栄養成分は、皮と身の間に多く含まれています。新じゃがは、皮が薄いので、そのまま食べられるのが魅力。食べないともったいない!」(徳江さん)
新じゃがには、高血圧の進行を抑えるカリウムや、便秘改善に有効な食物繊維、糖質を分解し脳の働きを活発にするビタミンB1なども豊富。
※女性セブン2016年6月30日号