申請することで国や自治体からもらうことができる給付金には様々な種類があるが、いざという時のために覚えておいたほうがいいのは「高額療養費制度」だ。
1か月の医療費が自己負担額の上限を超えると戻ってくるというのが、「高額療養費制度」。自己負担限度額は、標準報酬月額が26万円以下なら1か月5万7600円で、直近12か月間に3回以上支払いがあると、4回目から4万4400円に引き下げられる。
また、仕事中の病気やけがの場合は、「療養補償給付」や「休業補償給付」などがある。届出先は、いずれも会社の所在地を管轄する労働基準監督署だ。失業時にも、給付金が発生する。雇用保険に1年以上加入し、働く意思と能力があれば、「失業給付の基本手当」がもらえる。金額は直近6か月の給与額によって決まる。
この間に利用したいのが、無料で再就職に役立つ職業訓練が受けられる「公共職業訓練」だ。民間委託の3か月コースから、職業能力開発センターに1年間通うものまであるが、ハローワークの指示による訓練中は「技能習得手当」として、最大2万円の受講手当などが支給され、給付期間が終了しても基本手当が受け続けられる。届出先はハローワークへ。
妊娠や出産時の給付金も覚えておこう。出産するともらえる「出産育児一時金」の42万円と、「妊婦健診費用助成」(上限9万8000円)は、居住する市区町村役場に届ければ、誰もがもらえるお金だ。
正常分娩の場合は、全額自己負担のため、医療費控除の対象外と思われがちだが、妊娠中の定期検診や通院費用、治療のための医薬品、マッサージ代などは控除の対象。領収書はすべてとっておき、確定申告時に税務署に確認を。また、特定不妊治療助成は、1回7万5000~25万円が助成されるが、今年度からは助成の対象が42才までと、年齢制限が設けられたので注意して。
そして、家族が亡くなったときの給付金も重要。会社員など健康保険の被保険者が亡くなった場合、一律5万円の埋葬料が給付される。国保と後期高齢者医療制度の加入者の場合は、自治体によって金額が異なり3万~7万円が一般的。
火葬料補助金のある自治体もあり、千葉県の成田市・八街市・富里市の住民が、故人や喪主、施主の場合は、八富成田斎場での火葬料金(待合室1室付き)が無料になる。国民年金の第一号被保険者として3年以上保険料を納めた人が、年金をもらわずに亡くなったら、12万~32万円の死亡一時金が支給される。
※女性セブン2016年6月30日号