高齢化が進む日本社会。お年寄りが元気なのは嬉しいが、迷惑行為を繰り返すケースもあるという。神奈川県に住むパート勤務の女性Tさん(64才)が迷惑な夫の行動を紹介する。
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単身赴任していた夫(66才)が退職して、ずっと家にいるようになったんだけど、つらいなんてもんじゃない。
朝ご飯が終わると、ご飯茶碗の中にポチャンと入れ歯を入れて、シャカシャカとゆすいだあと、口の中に戻すんだから。かと思えば、鼻をほじった手をふきんで拭くし。トイレでは“大”を流し忘れるのに、お風呂は自分が入ったらお湯を流しちゃう。
それでこの間は、「とてもやっていけません。退職金と年金を半分にして離婚してください」って言ったんだけど、その答えがすごいんだわ。
「オレを人間だと思うから腹が立つんだ。座敷で飼っている犬とか山羊とかだと思えばいいだろ」だって。
なるほど。で、試しに夫に「ご飯よ」と言わず、「エサよ」と言ってみたら「おう」って普通に返事されたわ。
--一方で、シニアになってもなお、まさかな夢を追いかける男性も。福島県で飲食店を経営する女性Hさん(62才)が、夫のエピソードを披露する。
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他人から見たら、鼻くそみたいな“過去の栄光”だけど、本人は違うのね。
いちばん下の息子の就職が決まり、家族で食事会をしたときのこと。夫(60才)が出し抜けに、「次はお父さんの番だな。これから自分の夢を叶えたい」と言い出したのよ。
家族がキョトンとしていると、「この顔を生かした仕事に就こうと思うんだが、どうだ?」ときたの。
「この前も街で『シニアモデルになりませんか』って声かけられたし、真剣に考えてみようと思う。思い切って俳優って道もありかな」って。
まあ、こっちが黙っていればいい気になって、髪なんかかき上げたりしてるのよ。若い頃は、「○×町のジュリー」と言われたことがあったけど、だから?
帰り道、息子が言うんだよね。「お袋もこれから大変だな」って。私も自分の道、探そうかな。
※女性セブン2016年6月30日号