突然の訃報が届いたのは6月15日、女優・白川由美さん(享年79)が心不全で亡くなった。14日の夕刻、風呂場で倒れたのを家族に発見されたときにはすでに心肺停止の状態だったという。近親者のみで行われる予定だった通夜・告別式には、白川さんを慕って500人を超える弔問客が集まった。
「白川さんは律儀で明るく、偉ぶらない。大ベテランなのに気さくで、ドラマの打ち上げがあれば2まわりも3まわりも年下の女優と肩を組んで深夜までつきあう。とにかく面倒見がよかった。2012年に亡くなった夫の二谷英明さん(享年81)とはおしどり夫婦として知られ、二谷さんがドラマ撮影中に首の骨を折ったときには仕事をしながらもつきっきりで看病するなど、“理想の妻”として憧れる女性もたくさんいました」(スポーツ紙記者)
白川さんと“親友”と呼び合う仲だった松嶋菜々子(42才)、音無美紀子(66才)、津川雅彦(76才)など多くの芸能人のほか、王貞治(76才)や長渕剛(59才)なども足を運んだ。年齢や性別、活躍する世界の垣根などにこだわらず、誰に対しても心配りをしていた白川さんだったからこそ、これだけ多くの人に見送られたのだろう。
そのなかに、井上真央(29才)の姿があった。公の場に現れたのは4月に行われたCM発表以来。長かった髪は耳の下までバッサリと切られ、ふっくらとした頬はシャープに。うつむき加減で憔悴しきった姿は悲しみの深さを感じさせた。
「井上さんと白川さんは同じ事務所に所属していましたが井上さんが事務所に入ってくる前から“いい女優さんね”と口にしていて、初めて顔を合わせたときには“やっと会えたわね”と声をかけたそうです。メールや電話で連絡を取り合い、ふたりで食事に行くこともよくあったといいます。井上さんは白川さんのことを“かけがえのない人”と信頼していたので、ショックが大きかったのでしょう」(テレビ局関係者)
井上がメールで相談事をすると、白川さんはすぐに電話をかけて助言した。井上は主演を務めたNHK大河ドラマ『花燃ゆ』の視聴率が振るわず悩んでいた時も白川さんを頼った。
「白川さんは井上さんが出演している作品を見ては、“あれはよかったわ!”と褒めるだけでなく、“あの演技はよくない”ときちんと叱ってくれる。芸能界の母といって慕っていました。井上さんは4月に所属事務所からの独立が報じられましたが、その相談も白川さんにしていたそうですから…」(前出・テレビ局関係者)
最愛の夫の元へと旅立ってしまった白川さん。その声はもう聞けない。
※女性セブン2016年7月7日号