芸能

駅舎リニューアル決定の原宿に馳せる小泉今日子の思い

原宿には特別な思いを抱く小泉今日子

 東京・原宿駅が2020年の東京五輪に向けて駅舎をリニューアルすることを発表し、波紋を呼んでいる。

 JR原宿駅は1924年に建てられ、木造駅舎としては都内最古。皇室専用の特別な駅「宮廷ホーム」も設置されており、皇族が乗車されるお召し列車の発着駅にもなった。駅構内の通路やホームの狭さが改装の大きな理由だが、歴史ある建物だけに、リニューアルには反対の声もあがっている。

 原宿駅は常に新しい文化が生まれる街のシンボルだった。1960年代は裕福な家庭の子女が街に集まり「原宿族」として注目され、1970年代はファッション誌『an・an』や『non・no』の撮影場所になったり特集が組まれたことでそれらに憧れる「アンノン族」が出現。1980年代は竹の子族やロックンロール族などのパフォーマンス集団が注目された。

“スカウトの聖地”として多くの芸能人も生み出した。

「タレントのYOU(51才)は竹の子族として活動していた高校生の時にスカウトされました。山田孝之(32才)や岡田将生(26才)も原宿スカウト組です。山田は女の子と間違われて声をかけられたなんて話もありますよ(笑い)。原宿駅前、竹下通り、ラフォーレ原宿というファッションビルの前などが特に声をかけられやすい場所で、芸能界を目指す女の子たちがスカウト待ちしている姿を今もよく見かけます」(芸能関係者)

 なかでも原宿に特別な思い入れがあるのは、女優・小泉今日子(50才)。神奈川県の厚木で暮らした中学時代から頻繁に遊び場として足を運び、アイドル全盛時代の18~21才に一人暮らしをしていた“青春の街”だ。

 雑誌『SWITCH』では2007年から2016年まで「原宿百景」として思い出の地を100回にわたって連載した。

《はじけるほど楽しい青春時代の遊び場が原宿だった》
《友達はみんな竹の子やローラーのチームに入っていたから、(中略)私は一人で竹下通りをブラブラしたり、彼らの踊りを見物したりして過ごした》
《一八歳から二十一歳までの四年間、私は原宿にいた。仕事したり、恋したり、勉強したり、悩んだり、怒ったり、泣いたり、笑ったり、パワフルだったなぁ。初体験だらけだったもんなぁ。あの頃の記憶を思い出すだけで体力消耗しそうで怖い》

 都会を夢見る若者から芸能人、文化人まで、たくさんの人が行き交う原宿はこれまでいくつもの変化を遂げてきた。

 1998年に歩行者天国が廃止され、2014年には駅前の歩道橋が撤去されるなど、見える景色も変わった。だからこそ駅舎だけは変わらないでいて――そんな声も多いのだろう。変貌する原宿に小泉はこう思いを馳せている。

《同じ場所にいても景色は確実に変わっていく。街も人も変わり続ける。街も人も生きているのだ。だから、なくなってしまったものも、新しく生まれたものも、どちらも等しく愛おしい》

※女性セブン2016年7月7日号

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