情報番組に増え続ける「芸人コメンテーター」。カンニング竹山(45)、小籔千豊(42)、千原ジュニア(42)、オリエンタルラジオ中田敦彦(33)など、バラエティー番組の第一線で活躍をする中堅芸人たちが情報番組に呼ばれるようになったのはなぜか。
テレビウォッチャーでもある漫画家のカトリーヌあやこさんは、その要因として「情報番組のバラエティー化」を挙げる。
「加藤浩次さん(47)やバナナマンの設楽統さん(43)など司会をする芸人さんも増えているように、今、情報番組がどんどんバラエティー化しています。バラエティー番組の雛壇の席を一段にしたものと考えれば、芸人さんにとってコメンテーターという仕事は対応しやすいジャンルだと思います。
情報番組というのはある程度の波風を立てながらでないと前に進めません。なので番組側は、予定調和を壊すことのできる芸人さんを必要とします。ただ、本当に番組を壊されては困るので、空気を読みつつ壊してくれる人が理想的。竹山さんや小藪さんなんかはまさにそれができる芸人さんです」(カトリーヌあやこさん・以下「」内同)
逆にこの仕事が向かなかったのは、ハライチの澤部佑(30)だという。2015年3月から『あさチャン!』(TBS系)でコメンテーターを務めたが、わずか1年で番組を卒業してしまった。
「澤部さんは『しくじり先生』(テレビ朝日系)でのツッコミに定評がありますが、情報番組ではあの輝きが失われてしまっていました。なぜかというと、情報番組には変なことを言う人がいないからです。局アナや他のコメンテーターは基本的にまともなことを言うので、ツッコミどころがありません。また、『しくじり先生』での澤部さんは調整役も担っていますが、情報番組では局アナがそれを担当しています。澤部さんの活躍できる場面があまりなかったのです」
バラエティー化が進んでいるといっても、純粋なバラエティーというわけではないので、向き不向きはありそうだ。一口に芸人コメンテーターといってもいろいろなタイプがいるが、カトリーヌさんによれば、大きく2つのタイプに分けられるという。
「情報番組に出演する芸人さんは、そこで爪あとを“残したい派”と“残したくない派”に分かれます。オリラジの中田さんなんかは残したい派の筆頭といえます。逆に千原ジュニアさんは、和やかな方向に持って行くのが得意な芸人さんです。視聴者としてどちらのコメントが気になるかというと、やはり爪あとを残したい派です。以前、『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)に出演していたマキタスポーツさん(46)なんかは、選挙ネタなどできわどいことを言っていて私は好きでした。中には爪あとを残そうとしなくても炎上してしまう“ナチュラルボーン炎上派”もいますけど(笑い)」
ネットでの炎上を気にするあまり、当たり障りのない発言に終始していると、情報番組では存在感が薄れてしまう。かといって頻繁に炎上してしまっては、本業のお笑いに支障をきたさないとも限らない。芸人がコメンテーターを続けるのは容易ではなさそうだが、彼らが情報番組に出演する流れは、今後も続くのだろうか。
「うまくやっていく人と、合わずやめていく人とに分かれるでしょうが、芸人コメンテーターの需要はこれからもあり続けると思います。今は番組放送中も、コメンテーターの発言がツイッターで実況されるなど、1億総コメンテーターの時代。 炎上すれば、それがまた情報番組のネタになるようなサイクルにもなっています。予定調和を壊そうとする芸人コメンテーターの発言には、これからも多くの人が注目し続けると思います」
本業がお笑いであることを忘れない程度に頑張ってもらいたい。