芸能

清水健アナの生きがいは息子 乳がんで亡くなった妻への思い

妻・奈緒さんを亡くし一人で子育てに励む清水健アナ

 妻・奈緒さん(享年29)を乳がんで亡くして1年4か月――当時、生後3か月だった息子はすくすくと成長している。「今はなんにでも興味を持つ時だから、いろんなものを見せてあげたい」と話す清水健アナウンサーの、苦悩しながらも子育てに励む「父としての」日々に密着した。

 1976年大阪府生まれの清水アナ(40才)。2001年にアナウンサーとして読売テレビへ入社した。2013年には奈緒さんと結婚し、翌年3月に妊娠がわかった。しかし、同年4月には奈緒さんに乳がんが見つかる…。妊娠と治療を続け、10月に長男を出産したが、2015年2月に奈緒さんは他界した。一周忌を迎えた今年2月に、闘病をつづった手記『112日間のママ』(小学館)を出版した。

「息子はいつも何かを訴えています。それをきちんと汲み取ってあげないといけないけど、それがなかなか…。やっぱりママだったらわかるのかなぁ、だとか、その辺は申し訳ないですね」

 こう子育ての大変さを話す清水アナの朝は早い。息子は6時に目を覚まし、同じベッドに眠っている清水アナの背中をトントンと叩いたり、上に乗ったりしてパパを起こす。

「昨日できなかったことが、今日はできるようになってくる。歩けるようになったのもそうだし、スプーンでご飯を食べられるようにもなったんです。でも、まだパパとは言えず、ぼくのことを“ンマ”って言うんです(苦笑)。早く言ってほしいなぁ」

 愛息の成長を喜び、自分の体が空いている時は全部子供との時間に使おうと一緒に過ごしている。仕事に子育て、両立は大変ではないのだろうか。

「しんどいな、という時には息子の笑顔に救われます。疲れも取れるほどです。息子の笑顔がなかったら耐えられないかもしれません」

 今の生きがいは息子――自分のことよりも息子が第一で、もっともっと一緒の時間を過ごしたい。そして、著書の印税をあて、がんの入院施設や新薬開発に取り組む団体や個人を助成する基金を立ち上げた。必死になって日々を過ごしている清水アナだが、亡き妻への思いは今でも変わらない。

「悲しみだとか思いは、時間がたって薄くなるなんてことはないんです。息子は奈緒の写真を見て、ママということはわかっていると思うんです。いつかはちゃんとどんなママだったのか、がんで亡くなったとかちゃんと説明してあげなくちゃいけない。仕事もとても大切ですけど、でも、これからいちばん大事なことというのはママのことを伝えていくことだと思います」

 彼が息子に「ママはどこにいるの?」と聞くと、小さな手で自分の胸を指す。「お空にいるというよりも、ぼくと息子のここ(心臓部分)にいるんだよって言ってるんです。子育ては正直キツイ時もありますが、やらなくちゃいけないんです。絶対、息子の手だけは離しちゃいけない。しんどくって当たり前じゃないですか」

 今日もふたりは手をつないで、共に歩んでいく――。

※女性セブン2016年7月7日号

関連記事

トピックス

約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
チェーン店ではない昔ながらのレトロな喫茶店は日本の若者だけでなくインバウンド客からも人気を集めている(写真提供/イメージマート)
インバウンド客が行列をつくる「レトロな喫茶店」 マスターが悩まされる支払いトラブル「ドルしかない」客に「コンビニでおろしてきて」と伝えても「十中八九、戻ってこない」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
事件は、琵琶湖からほど近い滋賀県長浜市の閑静な住宅街で起きた(時事通信フォト)
「死んじゃうんじゃないの、なんて冗談を…」裁判所事務官の“黄色い家”の冷凍庫から女性遺体 証言で浮かび上がった“奇妙な家族関係”《事件の端緒はある夫婦の遺書》
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
会見中、涙を拭う尼僧の叡敦(えいちょう)氏
【天台宗僧侶の性加害告発】フジテレビと同じ構造の問題ながら解決へ前進しない理由とは 被害女性への聞き取りも第三者の検証もなく、加害住職の「僧籍剥奪せず」を判断
NEWSポストセブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
生活を“ふつう”に送りたいだけなのに(写真/イメージマート)
【パニックで頬を何度も殴り…】発達障害の女子高生に「生徒や教員の安心が確保できない」と自主退学を勧告、《合理的配慮》の限界とは
NEWSポストセブン
5人での再始動にファンからは歓喜の声が上がった
《RIP SLYMEが5人で再始動》“雪解け”匂わすツーショット写真と、ファンを熱狂させた“フライング投稿”「ボタンのかけ違いがあった事に気付かされました」
NEWSポストセブン