投資情報サイト「株式予報」代表・中原良太氏が、株式市場の2000年から2015年までの16年間(192か月)のデータを解析したところ、株価が2倍になる銘柄には、「出来高急増」ならびに「直近高値更新」という特徴があることがわかった。それに加えて「2倍株」にはいくつかの傾向も見て取れるという。データ解析を基に、中原氏が解説する。
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「出来高が25営業日の平均と比べて5倍以上に増えた銘柄が、翌日以降、1年以内に株価2倍になった確率」を4市場(東証1部、2部、ジャスダック、マザーズ)で調べてみた。すると、出来高が急増した銘柄は延べ8万4352銘柄あり、そのうち1万539銘柄が2倍になっている。つまり、直近1か月と比べて出来高が5倍以上になった銘柄のうち、8.0銘柄に1銘柄(12.5%)が2倍になった計算だ。
また、「250営業日の最高値を更新した銘柄が、翌日以降、250営業日以内に株価2倍になった確率」を調べてみたところ、4市場で高値を更新した3万6460銘柄のうち、5084銘柄あった。7.2銘柄に1銘柄(13.9%)が2倍株になっているということだ。
とはいえ実際に投資するとなれば、さらに精度を上げたいところだ。そこで、「1月の始値で株を買う→12月の終値で株を売る」という条件で、この期間中に、「1月始値と比べて株価が2倍以上になった株を2倍株としてカウント」し、新たな傾向を探ってみよう。
まずは「市場」だ。東証1部(11.8銘柄に1銘柄)、2部(7.8銘柄に1銘柄)より、ジャスダック(6.0銘柄に1銘柄)とマザーズ(3.7銘柄に1銘柄)のほうがより多くの2倍株が出現している。
また、「業種別」で見ると、証券業(4.7銘柄に1銘柄)、不動産業(4.8銘柄に1銘柄)、情報・通信(5.7銘柄に1銘柄)から2倍株が出現しやすい傾向が見て取れた。
さらに具体的に分析すると、【1】1日の売買代金が5億円未満と小さく、【2】最低購入価格は10万円以下の株のほうがより当てはまりやすい、といった傾向もある。売買代金が小さい小型株のほうが沸騰しやすく、買うのに100万円超もするような値がさ株より、数万円で買える株のほうが参加者は多く、上がりやすいのは想像通りだろう。
「出来高急増」「高値更新」「市場」「業種」、さらに【1】や【2】のデータを合わせることで、より効率よく2倍株を見つけることができるのではないだろうか。値動きの激しい相場だからこそ、過去のデータからより勝率の高い銘柄を狙いたい。
※マネーポスト2016年夏号