東京都知事選の最有力候補と目されながらも、参院選出馬を決めた民進党・蓮舫代表代行は、6月18日の自身の事務所開きで、「国政でしかできない私の志に素直でいたい」と語った。
都知事選に出ない理由として、「民進党の代表を狙っているから」などと報じられているが、実際のところはどうなのか。新宿でスナックを営む蓮舫氏の母親を直撃した。
店に入り「週刊ポストです」と伝えると、「政治の話はダメよ、蓮ちゃんに怒られるから」と、いきなり拒否。娘の話には一切口をつぐんだが、店の常連客に話を聞くと、母親の「本音」が見えてきた。
「蓮舫さんに政治的な話を詳しく聞いたりはしないそうですが、ママ(蓮舫氏の母親)は『舛添さんの後って誰が都知事になっても貧乏くじだと思うのよ』と言ってましたね。
蓮舫さんとママはいま一緒に住んでいますが、都政か国政かで悩んでいる様子はなかったそうです。一度決めたらきっぱり行動する人間で、ママより意志が強いらしいです。『日本は自分が選択した国という思いが強いから、都のためというより国のために仕事がしたいんだと思う』とママは言ってました」
台湾人の父親と日本人の母親の間に生まれた蓮舫氏は、18歳の時に日本に帰化している。この「帰化」をめぐっては、自民党の菅原一秀・衆院議員が“デマ”を流したとして大炎上したばかりである。菅原氏は、蓮舫氏の都知事選出馬がまだ取り沙汰されていた17日に、
「(蓮舫氏は)五輪に反対で、『日本人に帰化をしたことが悔しくて悲しくて泣いた』と自らのブログに書いている。そのような方を選ぶ都民はいない」
と発言。その後、「ネットで流れていた情報だった」と訂正している。前出の常連客はこう語る。
「ママは、帰化で泣いた話は全くの嘘って言ってましたよ。帰化した時はママが一緒に役所に行ったそうで、(どちらの国籍にするか)納得の上で決めたんだから悔しくて涙を流すわけがないと。
『泣くなんてそんなしおらしい姿、こっちが見たいくらいよ』って笑ってましたよ」
都知事選の出馬を泣く泣く諦めたわけではなさそうだが、はたして希望通り再び国政を担う資格を得られるか──。
※週刊ポスト2016年7月8日号