寒い雪の日、白い湯気にホッとする?そんなイメージがある甘酒は「冬の飲み物」と思われがち。でも梅雨明けも近い今、“夏こそ甘酒”と、注目が集まっている。
“奇跡のアラフォー”といわれる井川遥(40才)と永作博美(45才)が愛飲していたということもブームを後押し。今夏、製菓メーカーからは夏用の新商品が続々登場し、ファッション誌や新聞などでも「甘酒で夏を乗り切る」特集が取り上げられるなど“旬な飲み物”なのだ。
甘酒の歴史は江戸時代まで遡る。猛暑で死者も出ていた時代、甘酒売りが登場したことで命の危機から逃れられた人がグッと増えたという。
甘酒には酒粕に砂糖などを加えて作るアルコールが含まれるものと、米糀を発酵させて作るアルコールが含まれないものの2種類がある。特に注目されているのは後者。砂糖不使用のためカロリーも低く、妊婦や子供も飲むことができるなど手に取りやすい。
栄養価の高さ、美容効果について、料理研究家で発酵食スペシャリストの澁谷梨絵さんが解説する。
「甘酒にはビタミンB群、葉酸、食物繊維、オリゴ糖やアミノ酸など幅広い栄養素が豊富に含まれています。これらの成分は栄養剤として点滴に含まれるものと同じものが多く、“飲む点滴”といわれているのです。コウジ酸はシミなどの原因となるメラニン色素を防ぎ美肌効果が期待できます。また、糀に含まれる酵素は脂肪などを分解する力を持っているため、消化吸収を促しダイエットにもおすすめです。糀菌が活動して生み出される消化酵素は腸内の環境を整えるため免疫力アップにつながります。不足しがちなビタミンやミネラル分を補ってくれるので、夏バテ防止にピッタリです」
米糀から作られる甘酒のカロリーは100ccあたり約80kcal。1日の目安摂取量は200ccとされ、食事の前にゆっくり飲むことで、血糖値の急な上昇や、脂肪のため込みを防ぐ効果も期待される。夏のおすすめの飲み方は?
「豆乳や牛乳で割ることで飲みやすくなります。甘酒というと温かいイメージですが冷やして飲むとスッキリおいしいです。凍らせてアイスにすればちょっとしたデザートにもなり、ヨーグルトに混ぜたりスムージーに加えるなどお砂糖代わりにも活用できます。天然甘味料なので、肉じゃがなど煮物に加えればうまみやコクも増しますよ。少し前に塩麹が流行りましたが、同じ要領でお肉やお魚をつけ込めばやわらかくジューシーに食べられます」(前出・澁谷さん)
永作は「健康の要は腸」という意識から腸を整えるために活用。おすすめは「甘酒の豆乳割り」だといい、井川は朝食時に飲んでいるという。2人の“美”の秘訣はまさに甘酒にあったようだ。
※女性セブン2016年7月14日号