富士登山に空中ブランコ。手術糸で顔面を引き上げるリフトアップ、各種ダイエットまで、体を張り続ける女性セブンの名物記者“オバ記者”こと野原広子が、世間の腹立つことに怒りをぶつける! 今回は、舛添要一氏をぶった斬ります。
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「肩身が狭い」とはよく言ったもので、東京都知事として最後の都議会に臨んだマスゾエ氏がまさにこれ。
都議の質問に答えるたびに、立ち上がって歩き出すんだけど、両肩がクイッと内に入って、本当に肩身が狭くなっているの。おまけに、膝とお尻も落ちている。これが一世を風靡した国際政治学者のなれの果て?
何を隠そう。私は3年前の都知事選挙で、「ますぞえ要一」と書いている。私の清き一票を彼に捧げただけでなく、友達から「誰に入れる?」と聞かれたら「ますぞえでいいんじゃない」と勧めていた。
そんなわけで、私はしかと彼の最期を見届けなければならぬと、都議会を2日にわたって傍聴したのだが(6月7、8日)、議場の彼の哀れな姿に、腹が立つとは思わなかった。
何に腹が立つか。ひと言でいうと、彼の幼稚さね。ああ言えば、こう言う。「おのれの頭脳で、相手を言いくるめるくらい朝飯前さ」とは言ったかどうかは知らないけど、カーッと見開いた目と、尖った口に書いてある。ずいぶんフケているが、勝気な子供の顔だ。
その幼稚さを最も発揮したのが、「厳正な第三者に精査」とさんざん繰り返した後、2人の弁護士を連れてきて、「違法性はない」を繰り返させた時。それから「給料を全額返納」と言い切った場面だ。
「法的には問題がない」と、やり手の弁護士がお墨付きをつけたら、都民は「そうか~。政治資金の使い方はどう使ってもいい決まりなのね」と納得するとでも思った? 江戸ッ子じゃなくても、「おととい来やがれ!」だって。
それから、どんな仕事でも、ミスをした人間が、「給金はいりません」と言ったらオシマイ。雇う側が、大きなミスのペナルティーとして「給料カット」はアリだけど、ミスした側が「金、いらねえ」はナシでしょ。それが仕事というものじゃないの?
と、さんざん私の血圧を上げたあげく、やっと辞任したと思ったら、えっ? 騒ぎを起こしたけじめをつける。7月以降は月給やボーナスを全額返上するための条例案を都議会に正式に提出したと言っときながら、辞職を決めたとたん、撤回。なかったことにするかよ。
夏のボーナス380万円も、退職金の2200万円も、6月の給料も総取りだって。泥棒に追い銭? ああ、悔しい。2200万円といったら、中古マンションが買えまっせ。
この怒り、どうしてくれようと思ったら、目が冴えて眠れやしない。
さてさて。都知事候補の顔ぶれもぼちぼち見えてきた。知事という地位に舞い上がらず、4年の任期をちゃあーんと勤め上げられるのは誰か。トップリーダーにふさわしい、せこくない人は誰か。考えさせられるだけでも、ああ、腹が立つわ!
※女性セブン2016年7月14日号