ライフ

360万円のインプラント 10年で摩耗し追加費用100万円

インプラントのリスクとは?(イメージ)

「最初はインプラント治療をする気は全くありませんでしたが、“一生、持ちますよ”と歯科医が勧めてくれたので決断しました。費用は360万円です。清水の舞台から飛び降りる思いでしたよ」

 首都圏在住、元音楽教師の60代女性は、歯周病の進行によって上あごの歯を6本失い、「部分入れ歯」と「ブリッジ」をしていた。

 残った自分の歯を守りたくて、インターネットで探し当てたのが、〈歯周病は治せる〉と掲げた都内の歯科クリニックだった。ホームページに〈一生歯を残す〉と記す姿勢に好印象を抱いた。

 受診すると、部分入れ歯を今後どうするつもりか、と歯科医が聞いてきた。

「治療方法には2通りあるといわれました。“困っている部分をその度に治療していく方法と、何歳になっても健康な自分の歯で食べられる方法です。どちらを選びますか”と聞かれたので、迷わず後者ですと答えました」

 すると歯科医は資料を見せながら、ある治療を提示してきた。それはブリッジと部分入れ歯を取り除き、さらに上あごに残った健康な歯をすべて抜いてインプラントに入れ替えるというものだった──。

 インプラント治療は、基本的に失われた1本の歯に対してネジ状のチタン製インプラント(人工歯根)を一つ、あごの骨に直接植え込む。ただし、多くの歯を失っている患者の場合、人工歯根をたくさん打っていくのは手術の難度が高くリスクもある。そこで開発されたのが「オール・オン・4」である。

 片あご12本分の歯を一体化して、4本のインプラントで支える術式だ。骨に空ける穴が少なくなるので手術のリスクが下がり、費用も抑えられるといわれる。元音楽教師は、歌う際に大きく口を開けるので、部分入れ歯が見えてしまうのが気になっていた。

 総額で360万円という費用には驚いたが、死ぬまで自分の歯のように噛める、という歯科医の言葉は魅力的だった。

「当時、私は50代でしたから、残り30年使えるなら高くないと自分に言い聞かせました」

関連キーワード

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン