今年の夏は、史上空前の猛暑と予想されている。5月下旬から日本各地で真夏日を記録。世界的にも今年4月の平均気温は観測史上最高値を更新し、NASA(米国航空宇宙局)は「99%の確率で史上最も暑い夏になる」と発表した。
猛暑が話題になった2010年、熱中症による死者は全国で500人を数えたが、今年はそれよりも凶悪な“殺人熱波”が日本を襲う可能性がある。
となれば、冷房をフル稼働させて難を逃れたいところだが、東日本大震災以降、電気代は上がり続けている。室温の涼しさと懐の暖かさを両立させるにはどうすればいいのか。
今年の猛暑対策家電のヒット商品になっているのが「サーキュレーター」だ。家電量販店には専門コーナーが設けられ、各社から新商品が投入されている。
サーキュレーターは、室内の空気を循環させる機械。原理や構造は扇風機と同じだが、扇風機が人の体に涼しい風を当てる目的で設計されているのに対し、サーキュレーターの役割は室内の空気を効率的に循環させることにあり、鋭く強い風を遠くまで送り込む。
「サーキュレーターの使用で体感温度が1℃ほど下がる。エアコンと併用する場合、冷房の設定温度より1℃低い効果が得られるとされています」(ヨドバシカメラマルチメディアAkiba・コンシェルジェの高澤浩二氏)
部屋を25℃にしたければ、エアコンの設定温度は26℃で済むということは、1℃分の節電になる。とはいえサーキュレーターを動かすにも電気代がかかる。それでも節電になるのだろうか。家電コーディネーターの戸井田園子氏は次のように試算する。
「6畳間用のエアコンの平均的な消費電力は約300w(ワット)。設定温度を1℃上げると消費電力は約10%下がるので、30wの電力削減になる。つまり、消費電力30w以下のサーキュレーターを使えば、節電効果を得られます」