ビジネス

フジ株主総会 日枝会長への露骨ヨイショに「飲み屋でやれ」

フジテレビ株主総会で露骨なヨイショも

 視聴率低迷で近年の凋落が著しいフジテレビの今年の株主総会は、例年以上に大荒れとなった。かつてのキャッチフレーズ「楽しくなければテレビじゃない」とは真逆の殺伐とした雰囲気に包まれた。

 惨状を見かねた株主たちは総会で不満を爆発させ、厳しい質問を投げかけたが、集中砲火を浴びた経営陣の中で手慣れた議事進行を見せたのは日枝久会長(78)だ。

 28年もの間フジのトップとして君臨する日枝会長は株主総会で議長として進行役に徹し、「日枝会長の直接の意見を聞きたい」との株主からの要請にも自ら矢面に立つことを避け、他の役員に回答を任せた。

 日枝会長の衰えぬ求心力が垣間見えた場面もあった。長期政権を批判する株主から出た、「名誉会長として一線を退いてはどうか」との問いかけに対し、すかさず日枝会長の隣に座っていた豊田皓副会長が、

「ライブドア事件、リーマンショックも日枝会長の経営判断もあり、乗り越えてきた。引き続き会長として頑張っていただきたい」

 と露骨な“ヨイショ”を披露。ある株主から「飲み屋でやれ」と揶揄される一幕もあった。テレビメディアに詳しい水島宏明・上智大学教授(ジャーナリズム論)が話す。

「トップが長年代わらないと周りは顔色をうかがって行動しがちになり、組織の停滞を招く。視聴率低迷は日枝体制の制度疲労でもあり、やることなすこと結果が出ない現状では、会長退任のような思い切った舵を切らない限り抜本的な改革は難しいでしょう」

“フジの天皇”は来年も株主総会を仕切るのか──。

※週刊ポスト2016年7月15日号

関連記事

トピックス

第1子を出産した真美子さんと大谷(/時事通信フォト)
《母と2人で異国の子育て》真美子さんを支える「幼少期から大好きだったディズニーソング」…セーラームーン並みにテンションがアガる好きな曲「大谷に“布教”したんじゃ?」
NEWSポストセブン
俳優・北村総一朗さん
《今年90歳の『踊る大捜査線』湾岸署署長》俳優・北村総一朗が語った22歳年下夫人への感謝「人生最大の不幸が戦争体験なら、人生最大の幸せは妻と出会ったこと」
NEWSポストセブン
コムズ被告主催のパーティーにはジャスティン・ビーバーも参加していた(Getty Images)
《米セレブの性パーティー“フリーク・オフ”に新展開》“シャスティン・ビーバー被害者説”を関係者が否定、〈まるで40代〉に激変も口を閉ざしていたワケ【ディディ事件】
NEWSポストセブン
漫才賞レース『THE SECOND』で躍動(c)フジテレビ
「お、お、おさむちゃんでーす!」漫才ブームから40年超で再爆発「ザ・ぼんち」の凄さ ノンスタ石田「名前を言っただけで笑いを取れる芸人なんて他にどれだけいます?」
週刊ポスト
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン