お酒を飲んでトラブルを起こしてしまう人もいるが、逆に飲める人にとっては、下戸だからこそ面倒くさいということもある。東京都在住の酒好き女性Hさん(46才)は、アパレル業界で働く夫についてこんな愚痴を漏らす。
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夫婦で7000円の会費制立食パーティーに出た時のこと。ふと夫を見たら食べる、食べる。量もすごいけど、イクラとかキャビアとかローストビーフとか、高そうなものを皿に山盛りにしているじゃないの。
こんな男が自分の伴侶だと知られたくないもの。そっと離れて知り合いと話しながら優雅にシャンパンを飲んでいたら、「こんなところで何してんだ。飲み物だけじゃ高が知れているだろ」って。
要するに、“元を取れ”と言っているんだけど、ケチの大食いってまったくセクシーじゃないんだよね。あの夜以来よ。うちがセックスレスになったのは。
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そして、体質であるから仕方がないものの、下戸であるがゆえに、場をしらけさせてしまうことも。石川県の菓子店パートの女性Rさん(54才)の告白だ。
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この春、娘の結婚が決まり、相手のご両親と初顔合わせしたときのこと。会場は新郎側の提案で、料亭で会席料理を食べることになったの。
心配なのは、飲めない上に技術職の夫。当日、料亭で「ま、ま、一杯」とお酒を注いでくれた向こうの父親に、夫が「すみません。私は不調法でして」と謝った、までは上出来だったんだけどね。
ご両親はどちらもいける口で、私も気持ちよくなってきたなというその時。夫が、料理を運んできた店の人に「全部、おれには全部まとめて持ってきて」ってしきりに言っているの。「飯もなしにおかずばっかりちびちび食えるか」って。それだけじゃない。「世の中は飲み助ばっかりじゃねーんだよ」ときた。
恐ろしいほどの静まり返った席をどうしたか、よく覚えていないわよ。幸い、娘の結婚は壊れなかったけど、私たち夫婦の間は、修復不可能だね。
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茨城県に住む惣菜店パートの女性Yさん(50才)も、下戸な夫と、その兄弟に文句を言う。
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男ばかり4人兄弟で、全員が下戸。大酒飲みの父親を見ていたから、「酒飲みにだけはなるまい」と思って育ったんだって。
それはいいけど、「おれたちは誰も飲まないから」って、親戚が集まるたびに、威張るのはやめて。ビールで乾杯してすぐに、「飲む人は長っ尻だからなぁ」だの、「結局、のんべえは自分の口だけがかわいいんだよ」だの、お酒に対して否定的なことばかり言うのも、イヤ。
その先頭に立っているのがうちの夫なんだから、これが飲まずにいられるかって。
※女性セブン2016年7月14日号